禁煙の経済効果
禁煙してみました
長い愛煙歴
筆者は16歳からタバコを嗜んできました。数十年、ほぼ毎日欠かさずタバコを吸ってきました。
高校生の頃は、悪ぶってタバコを吹かしていました。駅のホームでもタバコを吹かしていました。
最近は見かけませんが、筆者の青春時代には高校生が制服でタバコを吸っているのがイキがっているステータスの一つでした。
タバコ=大人みたいな時代だったかもしれません。
そして、大学受験の時に完全にニコチン依存症になっていました。煙草を吸いながら勉強してました。
マイルドセブン、セブンスター、ラーク、マルボロ、パーラメント、ラッキーストライク‥色々吸いました。基本はマイルドセブンでしたが、特別なことを起こしたい時はラッキーストライクでした。訳の分からない願掛けをタバコにしていました。
今まで、何度も何度も禁煙にはチャレンジしましたが、毎日の習慣を変えることは出来ず、禁煙は長くて5日しか続きませんでした。
禁煙しようと思う一方で、タバコを吸う理由を常に作ろうとしていました。
禁煙を勧められても、うるさいとしか感じませんでした。
タバコも好きですが、煙草を吸っている時間が大好きでした。
何もせずに何かを考えているようで考えていない、でもタバコを吸っている時に何か閃きそうな感じが大好きでした。
では、なぜ筆者がタバコを止めようと思ったか。
それは毎日の家計簿を付けた時、アホみたいにタバコ代がかかっていたことを数字で明らかにしたからです。
コロナで外出自粛をする中で、お金を使うことも減りました。では、いったい毎月いくら、何に使っているのだろうと調べてみることにしました。
タバコ代が昼飯代よりもかかっていたのです。1ヶ月で25箱近くタバコを買っていましたので、520×25=13,000円。年間15万円超、なんかアホらしくなってしまったのです。
月半ばで20年以上吸い続けてきたタバコを止める決心をしました。タバコにお金と時間を割きすぎていることがアホらしくなりました。
禁煙準備
禁煙するためには、タバコ、ライター、灰皿などを捨てるべきという方が多いですが、筆者は捨てませんでした。
禁煙というものを特別なことにしたくなかったからです。絶対禁煙!という強迫観念を作りたくなかったからです。禁煙できたらいいなくらいで始めました。
禁煙開始
禁煙1日目
時々、タバコを吸いたくなりました。特に朝一は吸いたかったです。
禁煙初日はお休みの日がお勧めです。仕事は少なからずストレスを感じやすく、仕事中の喫煙がルーティンの一つになっているからです。
禁煙2日目
タバコを吸いたくなる時の胸がモヤモヤが何回も起きました。その時は、深呼吸、水を飲むなどして、タバコを吸いたい気持ちをなくそうとしました。深呼吸したりすると瞬間的に喫煙欲求は収まりますが、すぐにモヤモヤがやってきました。
禁煙3日目
喫煙欲求がピークを迎えました。何度も何度も「一本くらい」という悪魔が出てきましたが、一本吸ったら二本目、三本目を吸ってしまうことが容易に想像できました。
喫煙所に迎い、火をつける直前まで行きました。その時思ったのが、「せっかく2日間やめて、1,000円近く浮いたのにもったいない。1,000円あれば何ができる?」でした。
なんとか喫煙所手前で引き返すことができました。
しかし、ニコチン依存症である筆者にとって、かなり厳しい状況に追い込まれていました。
禁煙補助を使うことにしました。
ニコチンガムです。
ニコチンガムを続けてしまうと、ニコチン依存症からは脱却できませんので、強烈な喫煙欲求が来た時だけ、ニコチンガムに頼ることにしました。
禁煙4日目〜7日目
タバコを吸いたくなることが頻繁に起きます。特に朝起きた後と、今まで喫煙するタイミングになった時です。
駅での一服、昼飯後の一服、夜空を見ながらの一服‥吸いたくなります。吸ってしまおうと諦めかける度に、今日まで〇〇円節約できたと思い止まることができました。
ニコチンガムは4日目が6コ、5〜7日目が4コ利用しました。
8日目〜
吸いたくなることはありますが、頻度が減ったことと、ニコチン切れ時の胸のムカムカ、頭のモヤモヤがなくなりました。
吸いたいというか、タバコを吸っている時間を味わいたいという気持ちが生まれます。
蚊取り線香の煙が臭い、タバコを吸っているような感覚になったのには驚きました。煙を身体が欲していたことを肉体的に実感しました。
ニコチンガムも1 日に0〜2コに減りました。
ニコチンガムを噛んで実感したことは、ニコチン依存症なんだなぁということです。
イライラモヤモヤした時に、ニコチンガムを噛むと落ち着いたからです。
つまり、ニコチンガムを噛み続ければ、ニコチン依存症からは抜け出せないということです。だから、ニコチンガムは徐々に減らしていかなくてはならないのです。
IQOSを持っている方は、ニコレスを禁煙補助として使うのもありです。
変化
・タバコ貯金をできるようになった。
・食欲は変わらずも、臭いに敏感になった。特にタバコの臭いに敏感になった。
・体重が増える。
・眠くなる、集中力欠如はニコチン切れによるもので、1週間程度で感じなくなる。
・喉がイガイガする。
・喫煙所を探す時間がなくなった。
禁煙当初はかなりイライラモヤモヤしますし、ボーッとします。
禁煙しようとするならば、精神的に忙しくない時から始めるべきです。
また、筆者は禁煙を強要するつもりはありません。タバコは美味しいですし、特別な時間をくれるからです。
でも、タバコを止めることによって、違うことに資金を回す方ができることは事実です。
まだ禁煙し始めて日が浅いですし、タバコを再開してしまうかもしれません。
しかし、タバコを止めることにより、確実に財布には優しくなります。
年間15万円、10年間で150万円あったら‥‥違うことに使いたくなりました。
Arbei
テンバガーも夢ではない!?米国小型株3選
- テンバガー
- CYBR(CyberArk software ltd サイバーアーク・ソフトウェア)
- APPN(Appian Corporation アピアン)
- RPRX(Royalty Pharma ロイヤリティファーマ)
テンバガー
株価が10倍になった銘柄、なりそうな銘柄のこと。野球用語でバガーは塁打を意味し、一試合で10塁打(テンバガー)を記録するくらいの勢いで株価が急騰し、10倍まで跳ね上がる銘柄をテンバガーと呼ぶ。
筆者の独断と偏見による米国株テンバガー候補を3銘柄紹介させていただきます。
独断と偏見ですので、ご容赦ください。
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CYBR(CyberArk software ltd サイバーアーク・ソフトウェア)
サイバーアーク・ソフトウェア(Cyberark Software Ltd)はイスラエルのセキュリティ会社である。
【事業内容】同社は、サイバー攻撃から機構を保護する情報技術セキュリティソリューションを提供する。
同社の製品は、「サイバーアーク共有技術プラットフォーム(CyberArk Shared Technology Platform)」、「特権アカウント・セキュリティ・ソリューション(Privileged Account Security Solution)」、並びに「機密情報管理ソリューション(Sensitive Information Management Solution)」を含む。
同社は、特権アカウントの保護・監視・検出・通知・対応ソリューションである「Privileged Account Security Solution」を提供する。
また、デバイス・ネットワーク・アプリケーション・サーバーのためのエンタープライズ・クラスの統合サービスを提供する。
同社の「サイバーアーク特権セッション・マネージャー(CyberArk Privileged Session Manager)」は、特権ユーザーのアクセスと活動を分離・制御・監視する。
「サイバーアーク機密情報管理ソリューション(CyberArk Sensitive Information Management Solution)」は、ウェブ・デスクトップ・モバイル・電子メールを使用するシステムに渡るユーザーに情報を共有・配信するプラットフォームである。
出所:investing.com
当社はセキュリティ分野の中でも特権アカウントセキュリティというニッチな分野で稼いでいる企業です。
あらゆるものがインターネットで結ばれていますので、アカウントなどのセキュリティが重要であることは言うまでもありません。
情報漏洩、ハッキング被害などは企業に致命的なダメージを与えかねません。
取引先も5,000を超えており、順調に増えています。
時価総額
4.22B$(2020年7/17時点)
日本円換算で4,500億円ほどです。時価総額4,500億円の企業が小型株な分類される米国市場に驚かされます。
日本の地銀最大手のコンコルディアFGの時価総額が4,100億円ほどですので、小型株と言ってもピンとこないかもしれません。株価は116.85$(2020.7/22)です。
東京電力のガスの契約で、Amazonプライムが永年無料でご利用可能!
APPN(Appian Corporation アピアン)
アピアン(Appian Corporation)はアプリケーションの開発を可能とするサービスを提供するロー・コード・ソフトウェア開発プラットフォームを提供する会社である。
【事業内容】組織体は同社のプラットフォームを通じて、エンタープライズ・グレード・カスタム・アプリケーションの設計・構築・実行を行う。
ユーザーは製品、サービス、プロセスとカスタマー・インタラクションを再考できる。
同社のプロットフォームはフォーム、データ・フロー、レコード、レポートと他のソフトウェア・エレメントの創設をオートメ化する。
同社のSAIL技術によって、開発者はアプリケーションを開発してデプロイする。
同社の製品はビジネス・プロセス管理(BPM)ソフトウェア、ケース・マネジメント、モバイル・アプリケーション開発及びサービスとしてのプラットフォームを含む。
同社はエネルギー、保険、医療保険者・供給者、製造、公共部門、小売と輸送等の産業向けにサービスを提供する。
直感で面白そうな会社かと思いました。
売上高は二桁台成長しており、営業利益はマイナスですが着実にマイナス幅が小さくなっています。M &Aも活用し、企業の成長を加速させようとしています。
アピアンは企業に向けてアプリケーション開発プラットフォームを提供し、顧客企業のソフト開発を効率化・自動化することをターゲットにしています。
アピアンの製品を使用することで、ソフトウェア開発者はコードを簡単にコピーし、アプリ開発プロセスを加速させることができます。
高成長のRPA市場で目立つ存在になる可能性を秘めています。
時価総額
3.2B$(2020年7/17時点)
日本円換算で3,300億円ほどです。株価は49.5$(2020.7/22)です。
RPRX(Royalty Pharma ロイヤリティファーマ)
小型株の時価総額ではありませんが、直近IPOで今までにないビジネスモデルの企業です。
ロイヤルティ・ファーマ(Royalty Pharma plc)は、後期段階のバイオ医薬製品への投資を行う。
【事業内容】中小企業のバイオテクノロジー企業及びグローバルな製薬企業を通じて、学術機関、研究病院、非営利団体に投資する。
製薬投資ポートフォリオには、約45の市販製品及び4つの開発段階の製品候補への投資が含まれる。
出所:楽天証券
端的にいうと、医療分野(医薬品)に特化した投資会社です。
ベンチャーキャピタルのように株式に投資するのではなく、特許に投資し、ロイヤリティ収入を得るビジネスモデルです。
ロイヤリティ収入を得ることができる期間は15年間なので、新規投資が必須の企業です。
売れる薬にいかに資本を投資するかが重要で、投資先選定の目利きが業績を大きく左右します。
医薬品ロイヤリティ市場規模は360億ドルと大きくはないですが、世界全体の生活水準が上がれば医療ニーズは増えますので、市場が大きくなる可能性は十分にあります。
医薬品ロイヤリティ市場での当社シェアは50%を超えております。
投資先への目利きが非常に重要であり、参入障壁が高い事業と言えます。
市場は年率6〜9%程度の成長が見込まれておりますので、当社も市場拡大に伴う成長が期待されます。
武田薬品やファイザーなどの医薬品にも投資し、大手製薬会社からもロイヤリティ収入を得ています。
売上高営業利益率が高いのも特徴です。株式市場に同業他社がいない(見当たらない)ことも魅力です。
IPOしたばかりなので、しばらくは上下に大きく動くものと思われます。
時価総額
27B$(2020年7/17時点)
日本円換算で2,8兆円ほどです。もはや小型株ではないです。
当社の時価総額が増える(株価が上がる)ためには、優良な投資先を増やすことに尽きます。医薬品ロイヤリティ市場のシェアは50%を超えておりますので、M &Aによる事業多角化、海外進出も必要になってくるでしょう。
株価は43.07$(2020年7/23時点)です。
筆者の独断と偏見による思い込みであり、サイト閲覧者、投資家へのアドバイスなどではありません。
Arbei
売れ筋投資信託分析①
ティー・ロウ・プライス 米国成長株ファンド
昨年末に設定されたティー・ロウ・プライス米国成長株ファンド(アメリカン ロイヤルロード)について分析してみたいと思います。
みずほ銀行、みずほ証券が販売会社になっており、みずほグループがかなり気合を入れて販売した投資信託です。
投資対象
アメリカの成長株です。「成長株」というワードが商品名の一部になっている投資信託は多いです。そもそもですが、成長しない銘柄の株式に投資するべきではないので、資産を増やそうとする投資信託であれば、成長株に投資するのが当たり前です。
組入れ銘柄を見てみましょう。ITプラットフォーム企業と呼ばれるアマゾン・マイクロソフト・アルファベット・アップル・フェイスブックの上位5銘柄が資産の30%程度を占めています。
出所:ティー・ロウ・プライス ジャパン
セクター別・国別投資配分が以下の通りです。米国市場以外にも10%程度投資しています。
出所:ティー・ロウ・プライス ジャパン
運用会社
米国のティー・ロウ・プライス社が運用しているマザーファンドに投資するファンドオブファンドです。
日本ではまだ知名度が高い運用会社とは言えませんが、投資信託の設定も増えています。
資産残高
2020年7月17日時点で3,455憶円の残高です。設定が2019年12月27日ですので、販売会社であるみずほグループがかなり気合を入れて販売した投資信託だと思います。
購入手数料
5,000万円未満が3.3%、5,000万円~10,000未満が1.65%、10,000万円以上が0.55%です。一般的な投資信託の購入手数料水準です。
信託報酬
1.463%/年
投資信託としては高くも安くもない信託報酬です。でも、やはりこの信託報酬は高いです。
日本の投資信託全体に言えることですが、運用成績が芳しくない投資信託が多いのに、信託報酬が高すぎます。
信託報酬の高さが運用成績を悪化させているとも言えます。
信託報酬が全体的に下がらない大きな理由として、投資信託市場が伸びていないからです。
市場全体が伸びれば、コストを下げてもフィーは維持できますが、残念ながら貯蓄から投資の流れはできていません。
運用会社(委託会社)、販売会社、受託会社も営利企業なので、取るべきものは取るべきです。
しかし、顧客利益を最大限にという建前があるのであれば、信託報酬が高いことが利益相反になっています。
投信市場が大きくなるためには、金融経済の教育、金融機関の販売体制など投信市場のインフラが変わる必要があります。
信託財産留保額
解約手数料はゼロです。
比較
上位組入銘柄が似ているインベスコ社のETF”QQQ”と比較しましょう。QQQはナスダック100に連動するETFです。
QQQの組入銘柄は100社、上位組入銘柄は以下の通りです。
出所:ブルームバーグ
QQQは米ドル建なので、為替変動分も考慮しました。
ティー・ロウ・プライス米国成長株ファンドは設定されてまだ半年程度ですので、今後に期待でしょう。
販売用資料を見る限り、過去はインデックス運用よりもかなりアウトパフォームしています。
結論
設定からまだ半年なので、結論を出すには早すぎますが、ETFによるコストを抑えた運用でも代替可能な投資信託とも言えます。
過去の運用実績を見る限りは、運用が上手いファンドにも見えますが、長期保有することにより、信託報酬というコストも積み重なってきます。
筆者は、運用成績と正比例しない投資信託のコストの高さがどうにも納得できないので、投資信託は敬遠しがちです。
中には、コストに見合った運用をする投資信託もありますが、かなりの投資信託がインデックス運用に負けています。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者、投資家へのアドバイスなどではありません。
Arbei
信用取引買い残が多い銘柄は上値が重い?
信用取引の仕組み
信用取引について簡単に言うと、お金を借りて、株式の売買をするのが信用取引です。
現物取引とは、自己の資金の範囲内で株式の売買をすることです。
現物取引との大きな違いの一つに、売り方から取引できることです。空売りというものです。持っていない株式を証券金融会社から借りて、売るのです。
株価が下がれば、下がった分だけ利益になります。
もう一つ大きな違いとしては、レバレッジを効かせることができることです。
担保(証拠金、有価証券など)の約3倍まで買い建てることも、売り建てることもできます。
詳しくは、下記をご覧ください。
信用取引は現物取引よりリスクが高い?
レバレッジ効果
現物取引よりもリスクが高い取引と言われる理由は、まず一つにレバレッジを効かせることができるからです。担保の約3倍までレバレッジを効かせることができます。
手元資金以上の取引ができます。思惑通りに株価が動けば、レバレッジ効果もあり、利益が大きくなります。反対に思惑買いに行かなかった場合は、逆レバレッジ効果になりますので、損失も大きくなります。
また、心理的な影響もあります。大きな資金を動かしていると、感覚が麻痺してきます。損をしても、また取り返すことができると気が大きくなってしまう傾向が信用取引にはあります。
追証
追加保証金が発生する可能性が信用取引にはあります。
相場の急変により、含み損が発生すると担保から含み損を差し引くことになります。
また、有価証券を担保にしている場合、相場が下落した場合、担保価値が下がります。
担保不足を補うために、追加保証金を入れないといけなくなることも信用取引では起きます。
決済期限
制度信用取引は、6ヶ月以内に決済をしなくてはいけません。
反対売買か現物決済(現引き、現渡し)による決済です。
一般信用取引は、無制限です。
金利
証券会社からお金または株を借りるのが、信用取引ですので、当然に金利が発生します。
約定金額に対して金利が発生します。
買い建ての場合、0.5%〜4%の金利が発生し、売り建ての場合、0.5%〜3%の金利が発生します。証券会社によって金利は異なります。
逆日歩とは、信用売り残が買い残より多くなり、証券金融会社が貸せる株が不足すると機関投資家等から株式を借ります。その際に発生する金利です。
売り建てることができる(空売り)
現物取引にはできない空売りは信用取引の魅力です。現物取引では、株価が上がらないと利益を出せません。
マーケットは常に強気ではなく、弱気相場もあります。
むしろ、株式相場全体は上がるのはゆっくりですが、下がる時はすごいスピードで下がります。
アルゴリズム取引が増えているから仕方ないのですが。
現物取引は弱気相場には滅法弱いです。我慢して保有するか、売るかナンピン買いしか方法はありません。
しかし、信用取引の空売りなら、弱気相場でも利益をあげることができます。
空売りは損失が無限大です。思惑と逆に株価が上がれば上がるほど、損失は膨らみます。
信用買い残が多い銘柄は上値が重い?
これは、信用取引の決済期限に大きく起因します。
制度信用取引の場合、半年以内に決済をしなくてはいけません。決済方法は、反対売買か現物決済(現引き)です。
反対売買による売りが生まれるのです。
信用買い残=将来的な売り圧力 になりますので、信用買い残が多いと需給が将来的に悪くなることになります。
株価は需給で決まる
どんなに内容が悪い銘柄でも、売りが無ければ上がります。同じ様に、どんなに内容が良くても売りが多ければ株価は下がります。
株価が右肩上がりならば、信用買い残が多くてもさほど需給への影響は大きくありません。上がっている途中に、信用取引の決済が進むからです。
株価が上がらない状態だと、信用買い残は将来的な売り圧力になり、需給を悪くします。
一日の平均売買高に対して、信用買い残がどの程度あるのかも注視すべきです。
信用売り残についても同じことが言えます。
信用取引売り残=将来的な買い圧力 になります。
貸借倍率の悪い銘柄例
出所:SBI証券
出所:SBI証券
富士フィルムホールディングスの株価推移、貸借倍率です。2020年3月~4月までアビガンの話題もあり、株価が急騰しました。急騰する過程で、信用買いが増えました。
4月に高値をつけた後、相場全体が回復している一方、富士フィルムホールディングス株は冴えない動きが続いています。信用買いの反対売買が、重しになっています。
証券会社と対面取引で信用取引をしてくれるお客様は"いいお客"です。対面取引の信用客で、うまくいっている人を見たことはありません。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者、投資家へのアドバイスなどではありません。
Arbei
負けない資産運用
勝たなくていい、負けないことが重要
運用はギャンブルではありません。勝つのではなく、負けないことが重要です。
一か八かは必要ありません。
では、負けない運用をするためにはどうすればいいのでしょうか。
日経平均トータルリターン
トータルリターンとは、株価の変動だけでなく、配当金込のリターンです。
出所:日経電子版
1989年の大納会の終値は38,915円でした。一方で、配当金を含めた日経平均トータルリターンは2020年7月3日時点で36,576です。
30年以上経って、まだ戻していないのかとも思いますが、最悪のタイミングで買ってもトータルでは負けは僅かとも言えます。
日経平均トータルリターン−現在の日経平均株価=1979年12月28日(6569.47)以降の配当金合計 になります。
2020年7月3日の日経平均株価終値は、22,306円ですので、40年で約14,270円分の配当金があったのです。
1979年12月28日以降、日経平均の株価変動による上昇は15,737円、一方配当金による実質的なリターンは14,270円です。
何を言いたいかと言うと、株式は値上がり益だけではなく、配当収入があり、配当収入は時間とともに積み上がっていくのです。
しかし、株式の難しいところは、高配当利回り銘柄が必ずしも市場平均を上回るリターンをあげるわけではないのです。
例えば、メガバンクや大手地銀は配当利回りは高いですが、株価のパフォーマンスはさっぱりです。
また、日産自動車のように高い配当利回りだったものが、無配や減配する可能性もあります。
配当金は企業が稼いだ利益の一部
稼いだ利益を配当金や自社株買いなど株主還元ばかりに充て、肝心の企業成長に資金を回さない企業は将来性が薄いことを株価は反映してしまいます。
株式の本当に難しいところですね。アメリカにしても、GAFAなど配当利回りが低い企業の方が株価上昇率は高いです。
配当金に回さず、企業の成長のために稼いだ利益を使い、新たな収益を生む企業の株価は上がるのです。
株の醍醐味は値上がり益です。成長する企業の株価は上がります。しかし、全戦全勝は不可能です。
配当金目当ての銘柄選定ではなく、配当金は+αで考えた方がいいかもしれません。
ただ、この+αである配当金は時間とともに積み上がり、トータルリターンに大きく寄与します。
投資には時間も必要ということです。
時間が味方をしてくれる可能性があるということです。
継続して保有し続けることで、配当金還元を享受できます。
増配継続銘柄には、注目すべきです。増配できる企業は、利益が伸びているか、無理して配当性向を高くしている企業です。
米国株ETF ”VIG”って? - お金のおはなし~お金の強化書~
言うまでもなく、無理して配当利回りを高くしている企業は、資金の使い道がなく、配当に回している可能性が高いので、魅力的とは言えません。
積立投資
積立投資は少額からでき、かつ時間を味方にできる投資方法です。
まとまった資金がなくても、月々少額から投資をすることができます。
積立投資も100%の勝率ではありませんが、長期的な資産形成には優れた運用手法です。
"安いところで買い、高くなったら売る"、簡単なようで難しいです。運用経験のある方なら、これがいかに難しいか分かるのではないでしょうか。
売り買いするよりも、成長する資産を買い続ける方が簡単です。
成長する資産も全体の経済状況や政治、地政学的リスクなどによる影響を受けるので、完全な右肩上がりの動きにはなりません。上がったり、下がったりを繰り返します。
元本保証の積立定期預金というものがありますが、金利もつきませんし、成長する可能性がない金融商品です。
一方、株式や債券、リートなどはリスクもありますが、成長する可能性がある金融商品です。
毎月コツコツ積み立てることにより、果実が育つ可能性が高いです。
売却のタイミングはそれぞれの運用スタイルにより異なりますが、積立投資の場合は、目標利益額を決めておくといいです。
◯◯%増えたら売却というよりも、◯◯万円増えたら売却という方が積立投資には適していると筆者は考えます。
対象商品は幅広く、株式、投資信託、ETF、リートなどから選択できます。
つみたてNISAという税制優遇もあります。
いずれも、完全な右肩下がりにならない限り、どこかのタイミングではプラスになる可能性が高いです。
長期継続分散(積立)投資
負けない運用をするためには、時間を味方にし、長期保有すること、時間を分散して投資(積立)することが有効です。
また、銘柄や資産を分散することにより、リスク分散もできます。
長期継続分散投資が、負けない運用に一番近いと筆者は考えます。
筆者も積立では負けたことがありません。
下がっている時は、買い続ければいいわけなので、無理して、損切りしてまで売る必要がないからです。
こちら↓↓もご覧ください。負けない運用の極意が詰まっています。
短期的な資産増は期待できません。でも、運用は勝つのではなく、負けないことが大切です。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者、投資家へのアドバイス等ではありません。
Arbei
不動産投資向け融資
アパートローン
主な個人向けの融資は、住宅ローン、消費系ローン、不動産向けローン(アパートローン)です。
その中で、不動産向け融資(アパートローン)についての現状を考察したいと思います。
2018年頃から、アパートローンの審査は厳しくなっています。スルガ銀行不正融資の件もありますが、緩すぎた審査を見直したという方が正しいです。
相続税基礎控除が2015年に改正され、実質相続税増税になりました。
相続税対策として業者、金融機関、コンサルが遊休地の有効活用を提案しました。
更地を貸家建付地にすることにより、相続税上の土地の評価を下げることができます。
地主の資産形成、節税に役立つため、金融機関もかなり積極的に融資をしていました。
特に地元資産家との関係強化が必須な地銀、信金は積極的でした。
今でも地主案件については、担保価値があり、収支が回っていれば、断る理由がないです。
地主への相続税対策と合わせて、賃貸マンション1室、ランドセット(土地+建物)などの融資も積極的に行われてきました。
ランドセットは、投資家にとっても金融機関にとってもリスクが高いです。
保有している土地に収益物件を建設する場合、主な経費は建物建築代金です。しかし、ランドセットの場合、建物建築代金+土地購入代金がかかります。
現状、ランドセットに積極的な金融機関はごく僅かです。審査基準が明らかに厳しくなっています。
賃貸用マンション一室などの区分所有についても、同じことが言えます。
不動産向け融資のポイント
収支
物件単体で収支が回るかを検証します。
そもそも、収支が回らない物件を買う人は転売目的以外ないです。
転売目的と疑われる融資を銀行は個人向けにはやりません。
法人向けも表向きには協力しません。
収支が回るかの検証について、銀行は保守的に考えます。
不動産の広告には、満室時の利回りが記載されています。満室稼働し続ける物件は、ごく僅かですので、稼働率にストレスをかけます。
稼働率についても、経年するごとにストレスを強くします。
金利についても、実行金利ではなく、ストレスをかけます。金利が上昇したとしても返済できるかを検証します。
今後は、人口減、供給過剰などから更に厳しい審査になると思います。
CFが物件単体で回らなくなった場合でも、返済原資(年金や他の不動産、給与など)はあるかなども検証した上で、融資の可否を判断します。
担保
土地の評価は多岐に渡ります。実勢価格、固定資産税評価額、相続税路線価評価額、公示価格、各金融機関の評価額などです。
建物の評価は、法定耐用年数と各金融機関が定める標準建築費をもとに評価されます。標準建築費とは、金融機関がそれぞれの建物構造ごとに定めた原価のようなものです。
詳しくはこちらをご覧ください。
属性
属性も審査の重要なポイントです。取引のある法人オーナーや地元有力者の案件は前向きに取り組みます。相手の資産背景などが一方、サラリーマン投資家や一見先などは、慎重に審査します。
なぜ、”案件の相談がきたのか”というところから、審査します。他行で拝辞になった案件を掴むわけにはいかないからです。
また、他行がメイン行であるにも関わらず、相談がきたものについても審査は慎重になります。通常、まずはメイン行に相談します。
メイン行で拝辞になった可能性が高い案件と見ます。
メイン行に相談したものの、断られたということは債務者もしくは案件に何かしらの疑義があるからです。提出された審査書類に改ざんはないかなど、検証します。
アパートローンは住宅ローンと考え方が全く違います。
収支・保全(担保)・属性の3本柱が審査のポイントです。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者・投資家へのアドバイス等ではありません。
Arbei
Re:ゼロから始める資産運用
誰でも最初は初心者
若年層に限ったことではありませんが、運用経験がない方は、運用といっても何をどうすればいいか、分からないのではないでしょうか。
運用に限ったことではありませんが、誰もが初めてのことに対しては戸惑いますし、不安を感じます。
スポーツや勉強などは、教えてくれる人がいます。スポーツだったら親、少年野球のコーチ、部活の顧問など、勉強なら親、学校の先生、塾など学ぶ機会が整っています。
運用についてはどうでしょうか。
日本は公的年金の持続性に不安があり、国の財政が先進国ワーストです。自ら将来の資産を作らなくてはいけないのは明白です。しかし、運用に触れる機会、学ぶ機会は少ないのが現状です。
現状、学ぶ機会を、自ら率先して作らなくてはいけません。国の財政、公的年金制度等から鑑みれば、運用は不可欠と思えるのですが、学ぶ機会がありません。
親子間の会話もお金についてはタブーのような風潮があり、運用や相続などについて話し合うことが少ない家庭が多いのではないでしょうか。
では、初心者が運用の第一歩を踏み出すためには何をすればいいのでしょうか。
金融機関選定
まずは、金融機関の選定です。証券会社、銀行、直販など金融商品を購入することができる金融機関を選びます。
商品が優れているか否かは販売金融機関とは直接関係ありません。取扱商品が多い方が選択肢も広がります。また、手数料、口座管理料も金融機関によって異なります。
手数料、口座管理料などコストは運用にとってはマイナスに働きますので、コストは低い方がいいです。
証券会社と銀行を比べると取扱商品数が全然違います。証券会社の方が圧倒的に多く、運用には便利です。株式、外債などは銀行では直接購入できません。
まずは証券会社の口座を2つ開設しましょう。
なぜ2つかというと情報収集と比較のためです。
いずれも対面ではなく、自分で資産形成を考えるために非対面チャネル(ネット)をお勧めします。また、非対面チャネルの方が圧倒的に手数料が安いです。
営業担当に聞くよりも、自分で情報収集をして、考えた方が100倍納得した上での資産運用ができます。
ネット専業証券会社と大手証券会社のネット取引をお勧めします。
情報収集
日経新聞
日経新聞には、昨日起きたことや、経済の概要が記事になっています。
日本の経済新聞なので、日本企業についての記事が多いです。世の中で何が起きているのかを知るツールとしては有効です。
ウォールストリートジャーナル
アメリカや世界の情報収集には、ウォールストリートジャーナルが有効です。米国のマーケットを知るには、良いツールです。
世界経済の中心は、今のところアメリカですので、アメリカ経済は抑えておきたいです。
ネット
ヤフーファイナンス、ブルームバーグ、米国Yahoo financeなどからも経済情報は入手可能です。ヤフー掲示板などは、訳の分からない情報も多く含まれていますので、情報の取捨選択が必要です。
四季報
初めは、分厚い本を買う必要はありません。証券会社の口座を開設すれば、四季報を見ることができます。
四季報で重要な指標は、売上げ、経常利益、営業CFです。本業が拡大し、稼げているかが重要です。
四季報の内容を更に詳細にしたものが企業決算です。JPX(日本取引所グループ)の適時開示情報で閲覧できます。
本
雑誌、本はある程度の経験を踏まえた上で読むことをお勧めします。なぜなら、初めて出会った書籍に影響されすぎてしまうからです。
情報の取捨選択ができるようになったら、雑誌や本を読み漁るのはいいと思います。
商品選択
商品選択は難しく、悩むことだと思います。なぜなら、元本保証ではない商品だからです。株式、債券、リート、投資信託、ETFなど選択肢は沢山あります。
何にすればいいか悩みますよね。
また、投資信託は純資産が大きい商品が運用成績も良いというわけではありません。日用品などと違い、売れている物が消費者ニーズを満たすわけではないのです。
最近は、投資初心者向けと謳う投資信託が横行しています。バランスファンドと呼ばれている投資信託です。株式、債券、リートなどが組み入れられている投資信託です。
資産配分を運用会社が適宜見直してくれるので、運用をお任せできます。
しかし、バランスファンドでお任せ運用をするとマーケットの動きに興味がなくなります。
忙しいから、お任せが楽という方もいますが、大切なお金です。一日10分時間を割けば、バランスファンドに頼らなくても大丈夫です。
もちろん、ポートフォリオの一部にバランスファンドを入れることは有りですが、全てをバランスファンドにすると、マーケットに鈍感になります。
各国の金融政策により、債券は個人投資家にとって妙味が薄いです。低金利下では、債券はリスクリターンが見合わない商品です。
やはり、株式、株の投資信託、ETFが資産を成長させる可能性が高いと思います。リートも不動産投資を間接的にできますので、資産を分散させるには良い商品です。
何よりも、自分が納得したものに投資することが重要です。
また、運用可能資産をまとめて投資することはお勧めできません。
勝つ運用ではなく、負けない運用を目指すためには、長期継続分散投資です。
長期継続分散投資については、こちらをご覧下さい。
長期投資可能資金の確認
生活費を運用に回してはいけません。あくまで余裕資金で運用はすべきです。
まとまった余裕資金がない場合でも運用はできます。積立投資です。毎月少額から株式も投信もETFも積み立てることができます。
毎月1万円ずつでも5,000円でも積み立て続けると将来の資産を育てることになります。
運用はギャンブルではありません。勝つ運用ではなく、負けない運用を目指しましょう。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者、投資家へのアドバイスではありません。
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