【株式】VIX指数(恐怖指数)って何?
コロナショック
コロナウィルスがマーケットを混乱させています。
実際はコロナウィルスが混乱させているのではなく、コロナウィルス蔓延によって世界の経済活動が停滞し、景気減速、景気後退の懸念が強まり、リスクオフの流れが世界的に強まっています。
コロナウィルス蔓延がきっかけで、ここまでリスクオフの流れが強くなることは想像できませんでした。
2020年3月12日、米国市場が始まりましたが、取引開始直後、S&P500指数が7%以上下落し、サーキットブレーカーが発動されました。
サーキットブレーカーとは、S&P500指数が前日比7%下落した場合、一時取引停止(15分間)になるシステムで、通常時は起きません。
今週2回目ということが、いかに今回のコロナショックが世界経済、世界の株式市場に影響を与えているかがわかります。
システムトレード(AIなどが売買)が発達し、取引量に占める割合が大きくなっているため、より一方的な動きになってしまっています。
VIX指数とは?
VIX指数とはVolatility Indexの略で、シカゴオプション取引所がS&P500種指数のオプション取引の値動きをもとに算出・公表している指数です。
恐怖指数とも呼ばれています。市場の不安度を表す指数です。
なぜ恐怖指数と呼ばれているかというと、VIX指数は将来の売る権利(プットオプション)・買う権利(コールオプション)、オプション取引をもとに指数化されているからです。
市場参加者の予想(期待)変動率に基づくものなので、暴落時には下記グラフのようになります。
ITバブル崩壊、同時多発テロ(2001年)、湾岸戦争(2003年)、リーマンショック(2008年)などはVIX指数が暴騰していますね。
つまり、将来に対しての不安がとてつもなく大きくなったのです。
通常時は20以下で推移しており、20を超えると市場の不安が大きくなってきたのかなという目安になります。
リーマンショック時はVIX指数が80を超えました。2020年のコロナショックでも、80を超えました。
近年、VIX指数の変動も大きいですが、株価の動きも大きいです。
理由として考えられるのが、AIによるアルゴニズム取引が増えているからです。
アルゴニズム取引は、人間の感情が入らないので、値動き(トレンド)に左右されます。
VIX指数は、株価の動きが止まると株価が下がったままでも急落してしまうことです。
(グラフ出展元 wikipedia VIX指数1990年~2008年)
(グラフ出展元 investing.com VIX指数2019/12~2020/3)
上段のグラフが1990年~2008年のVIX指数推移、下段が直近のVIX指数推移です。
今回のコロナショックがいかに投資家を不安にしているか、下落幅が超絶かがわかります。
また、VIX指数は下がれば、株価が上がるというわけではありません。
ボラティリティが低くなると株価が下がったままでも急落してしまうことです。
VIX指数を逆張りに活用することもできます。
VIX指数が上昇したときは、マーケットが調整するからです。
今回のコロナショックは調整という範囲を超えたもので、景気減速ではなく、景気後退を織り込もうとしているものと思われます。
リーマンショックを思い出させる値動き、値幅、パニック的な売りが継続しています。
底値がどこかはわかりませんが、反転し、ある程度落ち着いてからでも遅くはないかと思います。
リーマンショックも底値は2009年3月、リーマンブラザーズ証券が経営破綻してから半年後でした。
リーマンショックはリーマンブラザーズ証券が破綻したから株式市場が下落したのではなく、端的に言えば金融システムの崩壊、信用収縮が懸念、実際に起きたからです。
今回のコロナショックは、ヒトモノカネの流れが止まっています。金融システムは健全ですが、経済活動自体が長くストップしています。世界大恐慌以来の景気後退局面が予想されます。
マーケットが混乱したときには
長期・継続・分散投資です。長期的に運用可能な資金で、時間・銘柄・地域などを分散し、売買も時間を分散することが必要です。
売られ過ぎた場合は、買い戻しがあります。逆に買われ過ぎた場合は売り戻されます。
今回のコロナショックも、将来振り返ってみると一つの暴落相場と語り継がれるはずです。
ブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマンショック、チャイナショック等、今までも暴落相場を経験し、結果として乗り越えてきました。
コロナウィルスの収束目処が付けば、マーケットも落ち着くはずです。しばらくは荒っぽい展開でしょうが。
コロナウィルス蔓延を人類が経験したことにより、ウィルスとの戦い方を考え、今よりも有効な対策が生まれるでしょう。
危機は人類のイノベーションのチャンスでもあります。
投資は自己責任で
Arbei