銀行で投資信託を買ってはいけない理由
銀行で投資信託を買ってはいけない?
運用について、私は必要なものだと思っています。このコロナショックによる超不安定で先が見えない今日のような状況でも運用は必要だと思います。
いずれ落ち着きを取り戻しますし、それは過去にあった幾度の⭕️⭕️ショック後を振り返れば、株は下がり続けることはないからです。
低金利・公的年金への不安・物価上昇懸念などを考えれば、運用はすべきです。投信を買ってはいけない、運用してはいけないとは全く思ってません。
ただし、銀行で対面営業で買う必要はありません。いや、買ってはいけません!
銀行で投信を買ってはいけない最大の理由
銀行員は素人だからです。
これすごい大きな理由です。大工さんではなく、素人が作った家に住みたいですか?自動車メーカーではなく、素人が作った自動車に乗りたいですか? その道のプロに頼みたいですよね。
コロナショックで投資信託の基準価額が乱高下する中、しっかりしたフォローありましたか?
でも本当に素人が投資型商品を提案してるんです。銀行員って仮面を被って。銀行員は今でも信頼されているんだなぁって思いました。
マーケットについての知識は一般人レベル、情報提供もできない、そもそもなぜ株も債券もリートも為替もなぜ動くかが理解できてない銀行員がたくさんいます。
マーケットに対する理解が薄い人の説明を真に受けてはダメです、大切な資産を託せるかどうか考えてください。
銀行員は銀行にいるんだから、勉強もして、知識も相場感もあると思っていたら大間違いです。
商品の提案はできます、訓練されますから。ただ、資産運用・マーケットの本質を理解している銀行員はごくごく僅かです。
最近の動向として
リーマンショック直後、銀行の国内法人部門は全く稼げない、稼げないというより赤字でした。
経営陣は国内個人で稼げないかと考えた結果、投信・保険販売に力を入れました。
定期預金を売っても、利益を生みませんから。投信・保険の販売は目先の手数料収入が見込めるからです。
現在はフィデューシャリーデューティ(顧客保護、顧客の利益最優先)の名の下、投信の短期乗換提案は激減しました。
2014年ごろ、野村證券が投信乗換を自粛し、真の資産形成を目指す営業体制に変えたことが、業界全体に広がりました。
預かり資産残高増加重視の営業スタイルに生まれ変わろうとしたのです!手数料稼ぎの奴隷となっていた顧客が解放されたのです!奴隷解放です!
銀行(金融機関)が投信を販売する目的は明確で、投信の手数料と信託報酬です。
手数料は、購入時に支払うものです。
この手数料の対価として銀行からの情報提供、相場が動いている時の売り買いの勧めなど的確なアドバイスがあればいいのですが、ほぼありません。
なぜなら、彼らは素人だからです!
信託報酬は、販売会社にも金利のように入ります。お客が儲かっても、損しても信託報酬は保有してもらっていれば入ってきます。
ここ数年の銀行の投信販売体制は、乗換勧誘がしづらくなったので、長期で保有してもらおうという投資の原点に立ち返ってます??
最近のトレンドとして、勧める商品はバランスファンドという株、債券、不動産、商品、ヘッジファンドなどがミックスされている投信で、正直マーケットの話ができなくても説明できてしまう商品です。
セールストークは「色々な資産に分散されていますので、安心してお持ちいただけます。中身の資産バランスは運用会社が適宜見直してくれます。」小学生でも言えるフレーズです。
ただし!多くのバランスファンドはインデックス運用のバランスファンドに運用成績は劣後します。
また、バランスファンドは自分で作れます、ETFで。手数料も信託報酬もコスト格安のバランスファンドは自分でも作れます。
信託報酬を抑えたバランスファンドもあります。
KPIのトリック
KPI=Key Performance Indicator=重要業績評価指標、分かりにくいですね。分かりやすく言うと通知表・成績表です。
実は最近、各金融機関は顧客が保有している投信の損益状況を公表するようになってきています。
出展元:金融庁HP
上のグラフは、2018年3月時点と2019年3月時点の顧客が保有している投信の損益状況のグラフです。
保有している投信の損益ですので、過去に利益確定したものや損失確定をしたものは含まれません。その時点での保有投信の損益です。
2018年に比べ、2019年は改善していますね。
ちなみに現在2020年3月中旬時点ではコロナショックでほぼすべての顧客がマイナスだと思います。2019年3月時点で損益がプラスのお客様は全体の65%(前年比11%増)でした。
「えっ、なんだ銀行の提案はよくなっているんだ!」・・・ではないんです。トリックがあります。
出展元:金融庁HP
一見、半分近くの人が含み益があるように見えますがトリックがあります。
投信積立という技を使っているのです。
投信積立とは、毎月同じ金額を買っていく運用手法で、ドルコスト平均法の効果が期待できます。
投信積立は、長期・継続・分散投資が少額からでき、時間分散もできるので完全な右肩下がりの相場でなければいつかはプラスになります。
運用手法の一つとして、非常に優れたものです。この投信積立を幅広く提案し、お客の損益がプラスである件数を水増ししているのです。
2017年以降、金融機関から投信積立の提案を受けたり・パンフレット送られたりしていませんか?
つみたてNISAが2018年からスタートしたのもありますが、金融機関がKPIを意識し始めたからという側面も大きくあります。
各金融機関は見た目をよくしようとしているのです。
KPIが低いと消費者から、儲けさせてくれない金融機関と思われてしまい、顧客離れの一因となるからです。
投信積立は長期継続分散投資なので、完全な右肩下がりの相場でなければ、時間分散して投資をできますので、損益がプラスになる可能性が非常に高い運用手法です。だから、投信積立を案内してくるんです。
繰り返しになりますが、投信積立(ドルコスト平均法)は、本当に良い運用手法です。
売却するタイミングは難しいですが、あらかじめ目標利益額を決めて、投信を積み立てるのは資産形成のために是非やってみてください。
特にNISA(少額投資非課税制度)を使っていない方は、つみたてNISAを利用してください。
年間40万円(月33千円)、投資したときから20年間非課税です。対象の投信も手数料ゼロ、信託報酬も抑えた商品が対象となっています。
NISAについてはまた別の機会で詳しくお伝えできればと思います。
投信会社の勉強会
投信会社は金融機関に自社の投信を販売してもらいたいので、金融機関で勉強会を開催します。
ただ、その勉強会の、内容も一言で言うと陳腐!
なぜなら、投信会社は自社の投信の良いところしか言わないからです。
投信会社のホールセラーも営業マンなのです。商品に対して否定的な質問をしても、返ってくるのは「他の商品と比べて⭕️⭕️という商品は、リスクを抑えリターンを期待できます。」、「その道のプロであるファンドマネージャーが運用しております。」など答えにならない答えをしてきます。
その道のプロであるファンドマネージャーが運用するアクティブファンドのうち約80%がインデックス投資に負けているのに‥
しかし、銀行員は素人なので、投信会社のホールセラーのうまい話を疑うことなく信じ、お客様に提案してしまうのです!良い商品か経済環境にあった商品なのかを考えないのです。
窓口のかわいい子には気を付けろ!
不思議なことに窓口の子(LCT ローカウンターテラー)で営業成績が良い子はかわいい子が多いです。
かわいい子を目当てに行くオヤジが多いから?半分正解で半分間違えています。
なぜかわいい子が営業成績がいいかを分析したところ、”小さいころから、かわいい、かわいいと言われ、褒められることになれている。営業成績をあげれば支店長に褒められ、ニコニコしてればお客に褒められることを本能で理解しているからです”。
しかも、たちの悪いことに地頭もそれなりにいい子が多いんです。
商品を提案するよりも、自分の魅力を提案する術を持っているのです。
かわいい子が経済知識についてちょっとでも話せるとギャップ感じませんか?そこを突かれたら負けです。
大切なのは資産を守る、増やすことです。
繰り返しになりますが、銀行で投信は買わないで下さい。
買ったとしても銀行員の言うことは話半分に聞いてください。彼らは営業が仕事です。
中には手数料を払っても良かったと思える銀行員もいます。巡り合える可能性は限りなく低いですが。
どうすればいいか?
金融リテラシー(金融商品・経済知識を持つ)を高めてください。
インターネットで経済ニュースを毎日少しでも見ていれば、自然と金融リテラシーは高まります。
中にはfake newsも紛れてますし、アナリストの言うことが正しいと思ってもダメです。アナリストは評論家なので。
世の中で何が起きているのか、資産を守る・増やすためにはどうすればいいのかを少しでも考えながら生活すると、金融リテラシーは高まります。
対面で金融商品を購入する必要はありません。ネット証券、ネット銀行いくらでもあります。
パソコンが苦手だったら、パソコン教室に行ってでもお釣りがきます。
Arbei