生産性が上がらない株式会社日本国
モーレツ社員
モーレツ社員って言葉知っていますか?
時間を惜しむことなく、猛烈に実績を上げるために働く社員のことです。社畜とも言われています。
今では死語に近いですね。社畜は若者の間で流行ってる言葉みたいですが。
今の若者の言う社畜は社畜じゃないですね。Arbeiは証券会社時代、”夜討ち朝駆け”という営業の必殺技を上司に教えてもらいました。一撃必殺です。
朝駆けを実践しましたが、二度とやりたくないです。朝5時に見知らぬ若者がインターフォンを押す・・・馬鹿ですね。現代ではあり得ないです。石器時代の話です。
モーレツ社員も生産性は低いですが、日本はモーレツ社員に支えられ、経済成長を遂げることができた国であることは事実です。
質を量でカバーしてました。サービス残業とかの意識が軽薄な時代です。
でも、今はモーレツ社員って流行らないですね。働き方改革、パワハラ、ワークライフバランス・・働くだけが人生ではないになってきていますね。
コンプライアンスの強化もモーレツ社員が減った一因でしょうか。
コンプライアンスがうるさくなり、面白い、斬新的な事を言う人が減ってますね。
多くの時間を費やすのではなく、いかに労働時間を少なくして、収益を上げるかが今の時代です。
しかし、現状の労働環境はいまだに非効率、生産性の低い状況が続いています。
生産性が低いことが当たり前の日本
こちらのグラフをご覧ください。労働生産性の国際比較です。
(出展元:公益財団法人日本生産性本部のHP)
OECD(経済協力開発機構)加盟国平均以下の労働生産性です。これについては、また別の機会で考察したいと思います。
ここでは身近な労働生産性の低さについて思うことを書きたいと思います。
銀行は印鑑命
Arbeiが以前勤めていた銀行は、生産性が低いというか無駄が多かったです。
生産性が低いというより、非効率なことを分かっていながら、非効率な業務を継続していると言ってもいいと思います。
中には、これが当たり前と信じ込み、非効率、生産性が低いことすら理解できていない人もたくさんいました。
例えば、印鑑がないと何も出来ない。
銀行に印鑑を持って行くのが当たり前になっていますが、そもそも印鑑って必要?と思っています。
最近は印鑑無しで口座開設であったり、その後手続きもできるように徐々にではありますが、変わってきています。
しかし、銀行は相変わらず印鑑がないと、基本的に何もできないです。
印鑑が手続きに必要という既成概念が染みついてしまっているんです。
免許証、パスポートなど本人確認書類を提示しても印鑑がないと何もできないのです。本人確認ができ、本人のサインであれば手続きできるようになればいいのですが。
悪いことを考える人だったら、パスワードや免許証より、印鑑の偽造のほうが簡単だと思うんですがね。
たまにしか使わない印鑑、どこにあるか分からなくなることありませんか?特にいつ作った口座か分からないものは。
近い将来、銀行機能は残っていても、今の銀行のあり方とは大きく変わってるでしょうね。
いまだにFAX
FAXを否定するつもりはありません。
Arbeiが小学生の頃、電話機から手紙のように紙が出てきたことに驚いたことは今でも忘れません。
しかし、今はFAXより便利なものがあります。
メールです。
メールは文書だけでなく、添付でファイルも送れますね。
極め付けは稟議書!
これでもかというくらいの膨大な資料を用意しますが、融資審査に必要のない資料が多いです。
実際の与信判断で使う資料は、そこまで多くありませんが、なぜか稟議書は分厚くなります。
なぜかというと、融資先が返済できなくなったり、条件変更をしなくてはいけなくなるなど融資金が回収できなくるリスクが出たときに膨大な資料が役立つのです。
「これだけの資料を集めて分析し、返済可能と判断した。しかし、事業環境も変わり、返済が困難になった。」という言い訳用という意味合いが大きいです。
本当に保守的な文化です。自己保身の塊のような人間が多かったです。変えようとする人間は色物扱いされる傾向がありました。
銀行だけでなく、多くの企業で似たような生産性の低い業務、不必要な業務があるのではないでしょうか。
意思決定のスピード
スピード感
組織が大きくなると意思決定も遅くなります。ピラミッドが大きくなります。
創業者がチカラを持っている企業は、創業者の意向が意思決定に大きく影響を与えますね。
ソフトバンク、楽天、ユニクロ(実質的に事業拡大させたので)や多くの中小企業は創業者が絶対的意思決定権を持っているのでスピード感があります。
米国でも、Amazon,Google,Facebookなど創業者がチカラを持って、かつ商才があるとイノベーションを起こせたり、意思決定も早いですね。
商才のない創業者は企業の成長もありませんし、企業が継続しません。
組織が大きくなれば、意思決定が遅くなるというのはある意味あっていて、ある意味間違っていると思います。
なぜなら、組織が大きくなれば、それだけ優秀な人材が増える=意思決定ができる人材が増えるということです。
しかし、現実では意思決定できる人材でも、意思決定をしなくなります。失敗が怖いからです。日本は敗者復活の文化が薄いですから。
一つのプロジェクト案件の稟議を通すのに、いったい何人の決裁が必要ですか?
米国のトランプ大統領4度破産しているんですね。大統領としての資質は別として、4度破産しても事業を作り続けることができるというのは事業への執念でしょうか。
変革は怖い
生産性が低いことでメリットもあります。
雇用を創出してくれます。1人でできることを2人,3人でやっていれば、雇用が生まれますね。
日本の失業率の低さは生産性の低さからくるのではと思います。
変革って言葉響きはいいですが、いざ自分の身に降りかかると拒否反応だったり、抵抗感を持たれるはずです。
自ら変革しようと試みるではなく、トップダウンの変革はなかなか難しいです。
なぜなら、変革は今までやってきたことを否定する側面があるからです。
人は否定されるとなかなか素直に動けませんよね。正しいと思ってやっていたことを変えろというのですから。
自分がやっていることが正しいと思うことは怖いことです。怖いから、自分のやっていることを否定せず、自己承認するんでしょうね。
変革・生産性向上は日本にとって不可欠な問題です。経済大国日本と呼ばれた時代は過去のもので、GDPも中国に抜かれてから約10年、すでに経済規模では中国の背中が見えなくなっています。
絶対的な無駄をなくせば、少なくとも生産性は上昇します。真に無駄と感じることありませんか?
Arbei