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【銀行株】なぜ地方銀行の数は減らないのか

 

はじめに

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銀行株を保有されている方は多いです。

配当利回りの高さは魅力ですが、株価はいずれも冴えないですね。

 

マイナス金利の影響と一言では片付けられない、産業としての魅力が陰ってきてます。

 

マイクロソフト創業者のビルゲイツが、1990年代に、「銀行の決済システムは必要だが、今の銀行は必要なくなる。」と言いました。

ITと金融サービスの融和、フィンテックをイメージしての発言だったのでしょう。

 

都市銀行は2000年代初頭に集約された

都市銀行は2000年前後に経営統合が相次ぎ、現在では3メガバンクりそな銀行三井住友信託銀行に集約されました。

 

三菱UFJ銀行

三菱銀行東京銀行東海銀行三和銀行

 

三井住友銀行

住友銀行三井銀行

 

みずほ銀行

第一勧業銀行、日本興業銀行、富士銀行

 

りそな銀行

あさひ銀行大和銀行

 

三井住友信託銀行

住友信託銀行中央三井信託銀行中央三井アセット信託銀行

 

間違えていたら、ごめんなさい。

どことどこが合併して、なんという銀行名になったか、既に忘れてしまった方も多いのではないでしょうか。

 

地銀はいまだに。

一方で地方銀行経営統合はいまだにゆっくりとしか進んでいません。合併はほとんどなく、持ち株会社を作って、各行をぶら下げる方式がほとんどです。

 

直近の合併は、八千代銀行東京都民銀行新銀行東京が合併した”きらぼし銀行”です。新銀行東京、懐かしいですね。

 

独禁法の絡みで、地域のシェアの問題もあるのでしょうが、悠長なことを言ってる状況ではありませんし、金融庁も地銀の状況はわかっているはずです。

 

メガバンクもについても同じことが言えますが、銀行株のPER・PBR・配当利回りなど株式指標から見ると割安です。しかし、指標が割安でも市場の判断は買いではないのです。

 

マイナス金利による地銀経営へのダメージは深刻です。特に商業圏が大都市でない地銀の本業は利益を出せていません。

 

利益を出せていないというか、本業が赤字で運用部門でなんとかしてる地銀が多いです。

 

生き残るためには、合併などにより、規模を大きくし、体力を付ける必要があります。成長産業ではないので、消耗戦になることを考えれば、規模の拡大は必要かと思います。

 

しかし、地方銀行は商業圏を守られてきたので、どこかのんびりと危機感が薄いような気がします。合併、経営統合は一刻を争う課題です。

ポストが減ること又は実質買収される可能性があることを経営陣は恐れているのでしょうか。

 

コンコルディアFGの迷走

地方銀行の雄、横浜銀行東日本銀行経営統合に迷走感が漂っていることが、地方銀行の統合が進まない理由になっているかもしれません。

2014年に両行の経営統合が発表されたときは、横浜銀行が動いたのだから、ようやく地銀再編が本格的に進むかと思ったのですが

 

そもそも、両行は規模が違いすぎる地銀同士の経営統合で、対等とは言い難いものでした。

 

旧大蔵官僚の頭取同士が、金融庁に地銀統合をアピールするための経営統合とも揶揄されています。

 

また、コンプライアンス、ガバナンスに自信がある地銀には、経営統合へ向けて別の不安要素もあります。

 

相手方のコンプライアンス、ガバナンスに問題はないかという点です。実際、東日本銀行経営統合後の2018年に業務改善命令を受け、コンプライアンス、ガバナンスの緩さを露呈しました。

 

全ての面で強い立場にある横浜銀行は、東京進出のために東京に拠点がある東日本銀行を欲しかったのかと思います。

 

しかし、東日本銀行の中身が悪すぎたというか、DDする時間が少なかったのではないでしょうか。

 

結婚相手の素性を知ることなく、親に言われるがまま結婚してしまったように見えます。

大蔵官僚出身者の頭取同士が、レガシーを残すための政略結婚だったのでしょうか。

 

コンコルディアってグループ名も?という感じです。コンコルディアの意味が分からないです。調べたところ、ラテン語で協調・相互理解などの意味があるようです。

 

当初の構想では、フィナンシャルグループに入る地銀が更に出てくると目論んでいたことが新聞などの報道でもありましたが、現状は発足当時と変わらずの2 行です。

 

関東地方の有力地銀である足利銀行常陽銀行がめぶきHDを発足させました。コンコルディアとは別の経営統合をしました。

 

地銀最大手の横浜銀行経営統合しても、自分達には旨みがない、規模が似たところと結婚した方が、ポストも影響力も残せるのではと考えたのでしょうか。

 

現状は横浜銀行東日本銀行の面倒を見ている構造になっています。東日本銀行横浜銀行の子会社(天下り先)になったようにみえます。

 

東日本銀行の頭取も横浜銀行出身者になり、役員も横浜銀行出身者が多くを占めるようになっています。東日本銀行の建て直しのために役員陣を総取っ替えしています。

 

浮気

最近の横浜銀行は規模も近い千葉銀行に専ら熱を上げています。千葉横浜パートナーシップなるものです。

コンコルディアFGに参加する銀行が出てこないので、隣県の千葉銀行と業務提携という形をとったのかと。首都圏の地方銀行でも、経営環境は厳しいことが想像できます。

 

千葉銀行武蔵野銀行と業務提携をし、仲良くやってますが、横浜銀行の方が取引先も多く、魅力的なのかもしれません。

 

ライバル行同士が株式を持ち合い、お互いの顧客を紹介しあったりするみたいですが、中身を読むと東日本銀行は経営改善中のため蚊帳の外です。

 

この千葉横浜パートナーシップを見て、コンコルディアFGって何だろうと更に疑問が深まりました。

 

既に持株会社設立時の目的は霧の中に消え、今は横浜銀行東日本銀行を救済することが目的になったかのように見えます。

 

横浜銀行東日本銀行経営統合は、ほとんどシナジーを発揮していないように見えます。市場もシナジー効果無しと見ているため、株価も低迷しているのではないでしょうか。

 

"横浜銀行がやってもうまくいかない、小は大に喰われる" 、待った無しの地銀を待った方がいいにしてしまっているかもしれません。

SBIホールディングスの提携拡大

最近、SBIホールディングスが地銀との資本業務提携を積極的に進めています。

福島銀行島根銀行筑邦銀行‥地方都市の地銀と業務提携を矢継ぎ早に発表しています。

 

現在のところ、地方都市の地銀、第二地銀との業務提携が多いですが、単なる業務提携で終わらせるとは思えません。業務提携から入り、いずれは地銀連合を作ることがSBIホールディングスの頭にはあるのではないでしょうか。

または、もっと壮大なことを考えているかもしれません。

 

10年以上前に当時のプリヴェチューリッヒ企業再生グループが、丸三、東洋など中小証券会社の株を買い漁り、一つにまとめようとしたことがありました。

 

手荒なやり方だったため、成功はしませんでしたが、当時のことを思い起こさせます。

 

SBIホールディングスが、地銀再編において台風の目になろうとしています。有力地銀も指をくわえているわけにはいかないと思います。SBIホールディングスが台風の目になるとともに、起爆剤になる可能性があります。

 

 

かつて地銀は地元の優秀な学生の就職先でした。しかし、今は銀行業務に魅力がないのか、地銀に魅力がないのかわかりませんが、地元の優秀な学生が地元に帰って、地銀に入行しないみたいです。

 

 

いずれにせよ、地銀経営統合は待った無しの状態です。都道府県単位で商業圏を絞るのは時代錯誤ですし、体力が続かない地銀も出てきます。

 

地銀の決算報告書から異口同音出てくるのが、マイナス金利の影響、厳しい地域経済、少子高齢化が理由で、収益環境が厳しいと。

企業は外部環境に左右されるのが当たり前ですし、外部環境の変化に順応しなくてはなりません。変化に対応できない企業は淘汰されます。

 

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一般的な情報提供のみを目的としたものであり、税務・投資アドバイスなどではありません。

 

Arbei

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