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半値戻しは全値戻し?~コロナショック~

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半値戻しは全値戻し?

 相場の格言に、”半値戻しは全値戻し”というものがあります。

 

1000円だった株価が、500円まで下がり、750円まで戻した状態を半値戻しといいます。全値戻しは1000円に株価が戻ることです。

 

下落幅の半分戻るということは、相場が強い、材料を前向きに市場が捉えている、相場が明るくなれば全値戻すだろうというものです。

 

同時に、半値も戻したのだから、損をしていても一旦売却しておいた方がいいという意味も込められています。

 

S&P500

コロナショック後(2020年2月~2020年4月22日まで)の米国株指数S&P500の時系列です。

 

日付 始値 高値 安値 終値
2020/2/3 3235.66 3268.44 3235.66 3248.92
2020/2/4 3280.61 3306.92 3280.61 3297.59
2020/2/5 3324.91 3337.58 3313.75 3334.69
2020/2/6 3344.92 3347.96 3334.39 3345.78
2020/2/7 3335.54 3341.42 3322.12 3327.71
2020/2/10 3318.28 3352.26 3317.77 3352.09
2020/2/11 3365.87 3375.63 3352.72 3357.75
2020/2/12 3370.5 3381.47 3369.72 3379.45
2020/2/13 3365.9 3385.09 3360.52 3373.94
2020/2/14 3378.08 3380.69 3366.15 3380.16
2020/2/18 3369.04 3375.01 3355.61 3370.29
2020/2/19 3380.39 3393.52 3378.83 3386.15
2020/2/20 3380.45 3389.15 3341.02 3373.23
2020/2/21 3360.5 3360.76 3328.45 3337.75
2020/2/24 3257.61 3259.81 3214.65 3225.89
2020/2/25 3238.94 3246.99 3118.77 3128.21
2020/2/26 3139.9 3182.51 3108.99 3116.39
2020/2/27 3062.54 3097.07 2977.39 2978.76
2020/2/28 2916.9 2959.72 2855.84 2954.22
2020/3/2 2974.28 3090.96 2945.19 3090.23
2020/3/3 3096.46 3136.72 2976.63 3003.37
2020/3/4 3045.75 3130.97 3034.38 3130.12
2020/3/5 3075.7 3083.04 2999.83 3023.94
2020/3/6 2954.2 2985.93 2901.54 2972.37
2020/3/9 2863.89 2863.89 2734.43 2746.56
2020/3/10 2813.48 2882.59 2734 2882.23
2020/3/11 2825.6 2825.6 2707.22 2741.38
2020/3/12 2630.86 2660.95 2478.86 2480.64
2020/3/13 2569.99 2711.33 2492.37 2711.02
2020/3/16 2508.59 2562.98 2380.94 2386.13
2020/3/17 2425.66 2553.93 2367.04 2529.19
2020/3/18 2436.5 2453.57 2280.52 2398.1
2020/3/19 2393.48 2466.97 2319.78 2409.39
2020/3/20 2431.94 2453.01 2295.56 2304.92
2020/3/23 2290.71 2300.73 2191.86 2237.4
2020/3/24 2344.44 2449.71 2344.44 2447.33
2020/3/25 2457.77 2571.42 2407.53 2475.56
2020/3/26 2501.29 2637.01 2500.72 2630.07
2020/3/27 2555.87 2615.91 2520.02 2541.47
2020/3/30 2558.98 2631.8 2545.28 2626.65
2020/3/31 2614.69 2641.39 2571.15 2584.59
2020/4/1 2498.08 2522.75 2447.49 2470.5
2020/4/2 2458.54 2533.22 2455.79 2526.9
2020/4/3 2514.92 2538.18 2459.96 2488.65
2020/4/6 2578.28 2676.85 2574.57 2663.68
2020/4/7 2738.65 2756.89 2657.67 2659.41
2020/4/8 2685 2760.75 2663.3 2749.98
2020/4/9 2776.99 2818.57 2762.36 2789.82
2020/4/13 2782.46 2782.46 2721.17 2761.63
2020/4/14 2805.1 2851.85 2805.1 2846.06
2020/4/15 2795.64 2801.88 2761.54 2783.36
2020/4/16 2799.34 2806.51 2764.32 2799.55
2020/4/17 2842.43 2879.22 2830.88 2874.56
2020/4/20 2845.62 2868.98 2820.43 2823.16
2020/4/21 2784.81 2785.54 2727.1 2736.56
2020/4/22 2787.89 2815.1 2775.95 2799.31

出展元:yahoo finance資料よりArbei作成

 

2月19日に3393.52の史上最高値を付け、3月23日に2191.86の直近安値を付けました。

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4月9日に半値戻ししています。半値戻しは全値戻しの格言とおり、V字回復するのでしょうか?

過去の危機時の半値戻しから全値戻しまでの期間

 

 ITバブル・同時多発テロ

f:id:Arbei:20200329072135p:plain

出展元:yahoo finance資料よりArbei作成

 2000年3月~2007年10月までの高値・安値です。全値戻しまで7年7か月かかりました。

高値から安値を付けるまでに、2年7か月かかっています。

この間、ITバブル崩壊同時多発テロテロとの戦い(戦争)も起きているので、市場が複雑骨折したような状況でした。

 

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半値戻ししたのが、2004年5月でした。安値を付けてから、半値戻しまで1年7か月要しています。高値から安値まで2年7か月、安値から半値戻しまで1年7か月でした。

 

半値戻しから3年5か月後に全値戻ししています。

 

 

リーマンショック

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出展元:yahoo finance資料よりArbei作成

 

2007年10月~2013年4月までの高値・安値です。全値戻しまで5年6か月かかりました。

高値から安値を付けるまでに、1年6か月かかっています。

 

f:id:Arbei:20200423162937p:plain

半値戻ししたのが、2009年12月でした。安値を付けてから、半値戻しまで9か月要しています。高値から安値まで1年6か月、安値から半値戻しまで9か月でした。

 

半値戻しから3年5か月後に全値戻ししています。

 

 ITバブル崩壊時と、同じ期間を要しています。これは偶然でしょうが、半値戻しをしてから直ぐに全値戻しするというストーリーは描きづらいということです。

 

日経平均株価TOPIX

最近の日経平均株価は、ソフトバンクやファーストリテーリング、東京エレクトロンなどの値嵩株に左右されすぎるので、TOPIXとの値動きに差があります。

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出展元:ヤフーファイナンスよりArbei作成

 2020年4月23日時点で、日本市場はまだ半値戻しをしていません。

追記:2020年4月30日に日本株も半値戻ししました。翌5月1日は大きく下落しました。連休前という要因も大きかったです。

2020年3月期の決算が出てきていますが、経済活動がストップしている影響が如実に出ています。2021年3月期は少なくとも4-6月期は経済活動がストップしていますので、期待は出来ません。

 

コロナショック後の高値から安値までの2020年4月22日までの最大下落率は、S&P500が35.4%下落しているのに対して、日経平均株価は32.1%下落、TOPIXは31.3%下落です。

 

株価の戻りスピードに差が出ているのは、コロナショック前に既に日本は消費増税の影響もあり、景気が悪化していました。アメリカは堅調に推移していました。

 

また、財政出動規模の差、政府の本気度にも差が株価の戻りの差にもなっているのではないかと思います。

 

二番底はある?

www.myokstreet.com

 

二番底の深さは分かりませんが、V字回復は無いと思います。”半値戻しは全値戻し”というには時期尚早かと思います。過去の例から見ると、S&P500で1750程度の安値の可能性もあると考えます。

 

アルゴリズム取引が増え、市場の動きが早くなっています。下がる時も早いですが、戻りも早くなっています。

 

大統領選が2020年11月にあることも影響してきます。景気刺激策を今後も打ってくるはずです。景気が腰砕けの状態で大統領選を望みたくないからです。

 

2020年3月23日からの戻りは、コロナ危機後の経済を楽観したものだと思います。

 

日米を比べると、コロナウィルスによる人的被害はアメリカの方が甚大ですが、米国株の方が早く戻る可能性が高いと思います。

 

コロナショック前まで、アメリカ景気は堅調でした。一方、日本は消費増税の悪影響が色濃く出ており、2019年10-12月期のGDPは前年同期比▲7.1%でした。

 

また、財政出動の金額も日米には大きな差があります。

 

5月以降に、コロナショックの影響を反映した経済指標が出てきます。過去に例を見ない数字がでてきます。

 

決算見通しについては、延期する企業が多く、各企業も見通しが立たない状況です。

 

このような状況を鑑みると、”半値戻しは全値戻し”とは直ぐにはいかないと思います。

 

二番底を探り、底値を確認後、4年前後で高値奪還を目指すのが楽観的ではありますが、筆者のシナリオです。

 

米国株については、二番底は2020年8月~2021年4月に二番底を付けると可能性があります。

2020年は大統領選挙もありますので、選挙までは景気刺激策を積極的にする可能性が高いです。

景気刺激策が実効性が低いものだと株価は底値を確認(二番底形成)に向かうと思います。

 

高値奪還は2025年~2027年と現時点では楽観的ではありますが、想定しています。

 

1929年の世界大恐慌以来の景気後退になる可能性が高いです。

 

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投資戦略は

Johnson and Johnson(JNJ)のように、このマーケットでも上場来高値を付けている企業もあります。

 

企業選別をし、資金を分散させ、長期に、継続して投資することがいいのではないかと思います。

 

VOO,VT,VTI,VIG,VYMなどのETFもいいと思います。

個別銘柄では、JNJ,PG,AMZN,GOOG,PYPL,CAH,BDXなどに長期継続分散投資に妙味があると思います。

”利喰い千人力”、いったん利益確定し、利益確定後に改めて資金を分散させて、買い下がる戦略は有効かもしれません。欲張れる相場ではないと考えます。

 

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一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

投資は自己責任で

Arbei

 

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