お金のおはなし~お金の強化書~

お金と生活についての強化書

アフターコロナの資産防衛~外貨への分散~

 日本銀行本店(上空から見ると円の字に見える建物)[25397009492]の ...

通貨

”円”で買い物をしたり、”円”を外貨に換えて海外で買い物がしたり、”円”をモノ・サービスに換えることができるのが当たり前になっています。

 

なぜ、円で決済ができるかというと、円に信用力があるからです。

通貨は信用力に裏付けされているからこそ、決済できます。

国家が通貨に決済力を与えているのです。

 

しかし、通貨に信用力がなかったらどうなるでしょうか。決済力を失い、モノ・サービスと換価することができなくなりますし、他国通貨との取引もできなくなります。

 

今回は、運用して増やすというより、資産防衛のための外貨保有についてです。

 

今すぐに、円の信用力がなくなるとは筆者も全く思っていません。円の信用力がなくならない可能性の方が高いと思っています。

 

しかし、万が一に備えた資産防衛は必要です。

 

円が100%安全と言えない状況だからです。

国の借金が1,000兆円を超えているからというより、中央銀行である日銀の動向が危機を招く可能性があるのではないかと思います。

 

本や雑誌でも、外貨を保有すべきという論調がある一方、円が決済機能を失うことはないので、為替リスクをとるべきではないという意見もあります。

 

筆者は前者です。特に今日その気持ちは強くなっています。

 

日本銀行の暴走

今日の中央銀行である日本銀行の運営が異常だからです。

 

黒田総裁と安倍首相は歴史に名を残すかもしれません。異次元緩和が引き起こした日本崩壊の立役者として。

 

2013年に黒田総裁が就任して以降、”異次元の金融緩和”と題して、まずはインフレ率2%を目指しました。デフレ脱却を目指した中央銀行の本気度が伝わり、当初は歓迎されました。

 

しかし、結果としてインフレ率2%は未達のままです。

そして、日本銀行が異次元緩和から抜け出せなくなっていることが最大の失策です。ゴールが見えない状態の中、金融緩和から抜け出せなくなっています。

 

コロナ危機で更に金融緩和を強めました。コロナ危機は本当の経済危機なので、金融緩和は必要ですが、それまでのツケが大きすぎます。

 

デフレ(物価下落)の問題は、お金が回らなくなることです。モノ・サービスの価値が上がらないため、お金の価値が相対的に上がり、モノ・サービスに換価しなくても、資産価値が保たれるのです。

 

お金が回らないとどうなるか。お金は経済の血液です。血液が回らない経済は衰退します。モノ・サービスが売れなければ、所得は上がりません。所得が上がらなければ、お金を使わなくなります。

 

インフレは経済成長のためには必要ですし、適正な経済成長をしていればインフレは起きます。日本はバブル崩壊の後遺症が大きすぎました。

 

日本銀行の金融政策

 金融政策の概要

日本銀行はわが国の中央銀行として、物価の安定のために、金融政策の決定と実行に当たっています。

ここでいう物価とは、モノやサービスの価格を全体としてとらえたものです。

物価が安定していて、お金を安心して使うことができるということは、あらゆる経済活動や国民経済の基盤です。

金融政策とは、公開市場操作(オペレーション)などの手段を用いて、金融市場における金利の形成に影響を及ぼし、通貨および金融の調節を行うことです。

金融政策運営の基本方針は、日本銀行政策委員会の「金融政策決定会合」とよばれる会合で決定します。会合では、金融経済情勢に関する検討を行うとともに、金融市場調節方針や当面の金融政策の運営方針を決定し、決定した内容は直ちに公表しています。ここで決定された金融市場調節方針に従って、日本銀行では日々の金融調節の金額や方法を決定し、資金の供給や吸収を行っています。

出展:日本銀行HPより抜粋

 

 物価の安定と2%の「物価安定目標」

日本銀行法では、日本銀行の金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。

物価の安定が大切なのは、それがあらゆる経済活動や国民経済の基盤となるからです。
市場経済においては、個人や企業はモノやサービスの価格を手がかりにして、消費や投資を行うかどうかを決めています。物価が大きく変動すると、個々の価格をシグナルとして個人や企業が判断を行うことが難しくなり、効率的な資源配分が行われなくなります。また、物価の変動は所得配分にゆがみをもたらします。

こうした点を踏まえ、日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。

出展:日本銀行HPより抜粋

 

長短金利操作付き量的・質的金融緩和

日本銀行は、2016年9月の金融政策決定会合において金融緩和強化のための新しい枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。

新しい政策枠組みは、2つの要素から成り立っています。第1に、金融市場調節によって長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、第2に、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」です。

  1. (1)イールドカーブ・コントロール

    「総括的な検証」で示したとおり、2013年4月に導入した「量的・質的金融緩和」は、主として実質金利低下の効果により経済・物価の好転をもたらし、日本経済は、物価の持続的な下落という意味でのデフレではなくなりました。これを踏まえ、実質金利低下の効果を長短金利の操作により追求する「イールドカーブ・コントロール」を、新たな枠組みの中心に据えることとしました。

    その手段としては、2016年1月のマイナス金利導入以降の経験により、日本銀行当座預金へのマイナス金利適用と長期国債の買入れの組み合わせが有効であることが明らかになりました。これに加えて、長短金利操作を円滑に行うための新しいオペレーション手段(指値オペ)を導入することとしました。

  2. (2)オーバーシュート型コミットメント

    日本銀行は、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続するという「オーバーシュート型コミットメント」を導入しました。これによって、2%の「物価安定の目標」の実現に対する人々の信認を高めることを狙いとしています。

日本銀行は、2018年7月、強力な金融緩和を粘り強く続けていく観点から、政策金利フォワドガイダンスを導入することにより、「物価安定の目標」の実現に対するコミットメントを強めるとともに、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の持続性を強化する措置を決定しました。

 

日本銀行では、2013年4月に、「量的・質的金融緩和」を導入しました。その後、2014年10月には「量的・質的金融緩和」の拡大、2015年12月には「量的・質的金融緩和」を補完するための諸措置の導入、2016年1月には、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入、2016年7月には「金融緩和の強化」を行いました。

出典:日本銀行HPより抜粋

 

マネタリーベースを増やせば、物価が上がるというのは経済が通常に機能しているときです。

 

お金を市場にばら撒き、通貨供給量を増やし、お金の価値を下げるという金融政策です。

 

しかし、デフレをインフレにするためには、マネタリーベースを増やすだけでは効果が限定的であることが実証されました。

 

お金が回る仕組みを作らなくてはならないのですが、マイナス金利導入をしても、お金はうまく回っていません。

 

なぜか?必要なところにお金が回るシステムが整っていないために、所得が増えていないからです。

 

マイナス金利を導入し、民間銀行に融資を通して、市中にお金が回ることを期待していましたが、融資の伸びは弱いです。銀行経営が苦しくなるという副作用の方が、目立ってしまっています。

 

f:id:Arbei:20200525124920p:plain

出典:一般社団法人全国銀行協会

  

カネあまりによる不動産向け融資は伸び、不動産価格が上昇しました。個人向け融資も住宅ローン、アパートローンなどは伸びました。

法人向け融資の伸びは緩やかです。コロナ危機で瞬間風速的に伸びるでしょうが。

 

量的質的金融緩和

中央銀行が民間企業の株式(ETF)、Jリートを買うというのは資産効果を期待してのものかと思います。

 

しかし、中央銀行が市場で株を買い続けるというのは、もはや金融市場が機能していないということではないでしょうか。

 

中央銀行が市場で株式やリートを買っているのは日本のみです。

 

無理矢理、有価証券を中央銀行が買い支えている構造です。社会主義国家の証券市場です。市場では「日銀砲」という言葉があります。日銀が株を買い支えるための買い注文です。市場原理が歪められています。

 

実体経済と株価推移の乖離が大きいのは、中央銀行による買い支えと金余りによって、有価証券や不動産に金が回っているためです。

 

景気回復の実感が湧かない人が多いのは、可処分所得が増えていないからです。消費増税・各種所得控除の見直し・社会保険料負担増などが可処分所得を引き下げています。

 

株や不動産上昇による資産効果を享受できたのは、富裕層と外国人投資家が多いのではないでしょうか。

 

株が下がれば、日銀の財政も悪化します。先日、日経平均株価19,500円程度が損益分岐点とありましたが、下がれば資産は減ります。

国債に関しては、2020年5月22日時点で480兆円近くを日銀が保有してますので、金利上昇したら一気に債務超過になるリスクがあります。

 

また、買い集めた株(ETF)はどうするのでしょうか。売るとなれば市場は混乱し、大きく調整するでしょうし、持ち続けるのもリスクが大きいです。異次元金融緩和の出口が見えません。

 

日銀の財政破綻リスク

中央銀行財政破綻したら、どうなるか。その国の通貨は信用力を失い、決済力を失う可能性が高いです。

 

日銀が債務超過に陥る可能性はあります。

リスク資産の割合が大きすぎます。

金利上昇リスクに耐えられません。耐えられないので、マイナス金利を導入したり、金利を調整しているのです。

 

日本国の借金は1000兆円を超えています。名目GDPの2倍以上です。

借金ばかりがクローズアップされますが、国債保有先が問題です。日銀が480兆円以上保有しているのです。

金利上昇したら、債券価格は下がります。

 

 

円ばかりの資産ポートフォリオではなく、外貨をポートフォリオに入れることにより、資産防衛が図れます。

 

金融緩和が永遠に続くはずもないですし、続ける体力もありません。

 

今すぐに円の価値がなくなるわけではありません。しかし、気づいた時にはもう遅いです。

 

資産の一部を外貨、基軸通貨の米ドルにしておくことが資産防衛になるのではないでしょうか。

 

本当に日銀財務破綻リスクが高まれば、為替1円、2円の差など無いに等しくなります。

 

ドルコスト平均法で為替リスクを分散させながら、長期継続分散させてます。

筆者は米ドルをMMF、個別株、ETFに分散させ、今後もドル資産を増やしていきます。

DMM.com証券

 

一般的に情報提供であり、投資家への投資アドバイスなどではありません。

 

投資は自己判断で

 

Arbei

Copyright ©お金のおはなし~お金の強化書~ All rights reserved お問い合わせ