銀行の不動産評価
不動産
全ての銀行、金融機関が共通ではないですが、銀行の不動産評価の考え方についてお伝えできればと思います。
返済不可能性定理なった場合、銀行は担保物件の抵当権を行使して、担保物件を売却し、残債の補填にします。
競売になると、実勢価格よりも通常は安く処分することになります。銀行の不動産評価は処分目線で見ますので、評価は渋くなります。
ちなみに返済が厳しくなったら、直ぐに銀行が抵当権を行使することはありません。
元金返済を据え置き、返済が可能になるまで条件変更をしたり、稼働率を上げるために業者紹介・コンサルなど手伝ってくれることもあります。
最終的にどんなに頑張ってもダメな時に抵当権は行使されます。
不動産を担保に融資を受ける場合、融資金額上限は銀行に不動産評価までです。
不動産評価が高ければ、融資金額も大きくすることが可能です。
バブル期は、銀行自らが不動産を過大に評価し、乱脈融資をしていました。
結果として、お客様を不幸にし、不良債権の山となり、変額保険などの訴訟トラブルを招いてしまいました。
銀行の不動産評価
売買価格(実勢価格)=不動産時価評価
不動産売買契約書の売買価格が不動産時価評価になる場合があります。
売買価格=実勢価格です。実勢価格が不動産時価評価になるのは、住宅ローンのみです。
自宅は、生活に必要なインフラという視点から、不動産時価評価を緩くしています。
また、住宅ローンの債務不履行になる確率は0.2〜0.4%程度なので、銀行としてもリスクが低い債権になります。
住宅ローンを検討する場合は、担保評価の心配をする必要はありません。
積算評価と収益還元法評価
積算評価
積算評価とは、その土地が接道する道路の評価額(路線価)と地積を掛け合わせたものです。
銀行の不動産評価は、基本的に積算評価です。
銀行が評価する際に使うのが、公示価格、固定資産税評価額、相続税路線価になります。
以下の土地は、それぞれ同じ地積です。では、どちらの方が価値は高いと思いますか。
当然、Ⓑ旗竿地よりもⒶ整地の方が同じ地積、路線価でも価値は高いです。整地の方が、使い勝手が良いからです。
参考までに旗竿地になっている土地の多くは、相続税納税のために、土地を分筆し、整地を売却したからです。
なぜ、整地を残して、旗竿地を売却しなかったのか。それは、旗竿地は売れにくく、納税期限までに現金化できるか分からなかったためです。
不動産業者に「納税期限もありますから、まずは確実に土地を現金化しませんか。」などと唆されることもあります。整地を仕入れた方が、不動産業者にとっても、加工しやすいです。
結果として、価値の低い土地が残ってしまったというわけです。
相続税の物納には様々な要件がありますが、物納を専門に扱うコンサルもいますので、機会があれば専門家に相談することをお勧めします。
相続税路線価評価が、一番ストレスをかけた評価になりますので、銀行に相談する前に相続税路線価で評価してみるといいと思います。実勢価格と銀行評価の差が分かります。
また、相続税路線価は実勢価格の70%、固定資産税評価額は実勢価格の80%と言われていますので、購入物件が適正価格かどうかを図ることができます。
不動産業者いわく、実勢価格は適正で相続税路線価、固定資産税評価額とは大きな差があると言いますが、高い買い物をしないための参考にはなると思います。
マンション1室など区分所有の物件は、東京カンテイなどの不動産評価を活用します。
収益還元法評価
収益還元法とは、その物件がいくらの収益を生む物件なのかを地域ごとに利回りを定めて評価する方法です。
その物件の収益÷地域ごとに定められた利回り
例えば、物件からの収益が3,000万円/年、その地域の利回りを10%とすると、収益還元法評価では30,000万円の評価になります。
収益還元法評価は、東京23区や名古屋、大阪など都心部の物件が対象になります。
猫の額ほどの土地に高い建物の物件は積算評価では評価が出ませんので、収益還元法評価を用います。
収益還元法評価は、個人投資家にはよっぽどの属性でなければ、利用されません。
銀行の不動産評価≧実勢価格はほとんどない
銀行の不動産評価よりも、実勢価格が安い物件はほとんど見つからないと思います。
その場合、自己資金を増やすか、他の物件を共同担保とすることを提案されます。
自宅を共同担保に差し出す個人投資家も多いですが、止めてください。それだけの価値しかない物件と諦めるべきです。
積算評価で評価が出る物件は土地が広い案件です。郊外の物件です。
しかし、いくら不動産評価が出ても、収益を生み出さなくては不動産投資の意味がありません。
不動産業者が紹介する物件で、「これは素晴らしい」と思った物件は何百、何千と見てきた中で数件です。業者から紹介され、営業トークに乗って、相談に持ってくる案件は、いまいちなものが多かったです。
一方、掘り出し物件の融資をしたこともあります。立地、収支、担保価値など文句のつけようがない物件です。
彼らを見ると、物件探しが真剣です。不動産業者からの情報収集もしていますが、物件を自ら探しています。
建物評価
建物には法定耐用年数というものがあります。構造によって異なります。
建物評価=標準建築費×(法定耐用年数-築年数)/法定耐用年数
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 |
---|---|---|
木造・合成樹脂造のもの | 事務所用のもの | 24 |
店舗用・住宅用のもの | 22 | |
飲食店用のもの | 20 | |
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの | 17 | |
公衆浴場用のもの | 12 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | 15 | |
木骨モルタル造のもの | 事務所用のもの | 22 |
店舗用・住宅用のもの | 20 | |
飲食店用のもの | 19 | |
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの | 15 | |
公衆浴場用のもの | 11 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | 14 | |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの | 事務所用のもの | 50 |
住宅用のもの | 47 | |
飲食店用のもの | - | |
延べ面積のうちに占める木造内装部分の | - | |
面積が30%を超えるもの | 34 | |
その他のもの | 41 | |
旅館用・ホテル用のもの | - | |
延べ面積のうちに占める木造内装部分の | - | |
面積が30%を超えるもの | 31 | |
その他のもの | 39 | |
店舗用・病院用のもの | 39 | |
車庫用のもの | 38 | |
公衆浴場用のもの | 31 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | 38 | |
れんが造・石造・ブロック造のもの | 事務所用のもの | 41 |
店舗用・住宅用・飲食店用のもの | 38 | |
旅館用・ホテル用・病院用のもの | 36 | |
車庫用のもの | 34 | |
公衆浴場用のもの | 30 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | 34 | |
金属造のもの | 事務所用のもの | - |
骨格材の肉厚が、(以下同じ。) | - | |
4㎜を超えるもの | 38 | |
3㎜を超え、4㎜以下のもの | 30 | |
3㎜以下のもの | 22 | |
店舗用・住宅用のもの | - | |
4㎜を超えるもの | 34 | |
3㎜を超え、4㎜以下のもの | 27 | |
3㎜以下のもの | 19 | |
飲食店用・車庫用のもの | - | |
4㎜を超えるもの | 31 | |
3㎜を超え、4㎜以下のもの | 25 | |
3㎜以下のもの | 19 | |
旅館用・ホテル用・病院用のもの | - | |
4㎜を超えるもの | 29 | |
3㎜を超え、4㎜以下のもの | 24 | |
3㎜以下のもの | 17 | |
公衆浴場用のもの | - | |
4㎜を超えるもの | 27 | |
3㎜を超え、4㎜以下のもの | 19 | |
3㎜以下のもの | 15 | |
工場用・倉庫用のもの(一般用) | - | |
4㎜を超えるもの | 31 | |
3㎜を超え、4㎜以下のもの | 24 | |
3㎜以下のもの | 17 |
出典:国税庁HP
建物は時間の経過とともに価値が下がるという考えです。
標準建築費は各金融機関によって異なります。近年は人手不足・資材費高騰もあり、建物自体の価格が高くなっています。
一方で、リフォーム・リノベーション技術が向上していますので、金融機関によってはリフォーム・リノベーション済の物件については柔軟に評価をする銀行も出てきています。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者・投資家への投資アドバイス・税務アドバイス等ではありません。
Arbei
清原和博氏の『薬物依存症』を読んで
清原和博
筆者は大の西武ライオンズファンです。小学生の頃は、西武ライオンズの帽子をかぶり、従兄弟からもらったグローブと拾った軟式ボールを飽きるまで壁に向かって投げていました。
清原和博は、私のヒーローでした。今でも、清原和博の応援歌が頭の中で流れます。西武戦を観戦していると清原の応援歌が流れると鳥肌が立ちます。
巨人にFA移籍した時はショックでしたが、憧れの巨人で頑張ってくれればいいと思いました。
「番長」などとマスコミが清原像を作ることが、なんとも言えない寂しさを感じました。野球で目立って欲しいと。私のヒーローだぞと。
引退後にバラエティ番組に番長のまま、テレビに映る姿は、これが清原か‥と寂しさを感じました。
風貌がどんどん野球界から離れていく姿は怖さを感じました。日焼けして白いスーツを着た姿を見た時は間違いなく、クスリやってるんだろうなと。
2016年2月2日に逮捕された時は、やっぱりやってたのかと泣きました。清原和博は私のヒーローだぞと。
著名人が書く本はビジネス臭がプンプンするので嫌いです。
今回、清原和博氏の「薬物依存症」を買った理由は二つです。
一つは、清原和博氏が執行猶予中の4年間をどう過ごし、何を思い、何を伝えてくれるのかを知りたかったからです。
もう一つは、失敗をした人間はどう生きればいいのか、ヒントはないかと知りたかった、参考にしたかったからです。
前者は、筆者のヒーローである清原和博氏が何を思い、何を伝えてくれるのかを純粋に知りたかったからです。
後者は筆者も失敗をし、どん底にいるからです。
他人を信じることが出来ず、他人と目を合わすことを避け、他人との連絡を絶ち、孤独になり、他人が離れていっても気にならない、空虚感‥
清原ほど成功したわけでも、清原ほど天国と地獄を味わったわけではないけど、何かヒントが見つかればいいなと思い、読みました。
正直、ヒントは見つからなかったです。
傲慢だった、他人への思いやりが欠けてた、判断力がなかった‥など、今まで思っていたことの復習のようでした。
しかし、多くのものを失い、薬物依存症とうつ病に苦しみながらも、少しずつ前を向いて歩み始めていることに勇気づけられました。
敗者復活ができない社会、失敗した者に厳しい社会が日本です。最近のワイドショーなど見ても、少しでも道から外れたことをすると徹底的に叩かれます。
聖人君子には、なれません。新たな目標を探してみようかと思いました。
最後に。清原和博は永遠に私のヒーローです。
Arbei
個人投資家は増えているのか
貯蓄から投資へ
貯蓄から投資へと言われ、もう何年経っているでしょうか。投資が当たり前の世の中にはなってないです。投資はギャンブルではなく、定期預金などと同じ資産形成の一つです。
一方で2018年から、つみたてNISAという制度がスタートしました。従来の一般NISAに比べて、非課税期間を長くし、毎年の非課税枠を少なくしました。
つみたてNISAは、若年層に運用喚起をするには、良い制度です。非課税、ノーロード、長期、少額など運用を始めやすい条件がそろっています。
まだNISA制度を利用していない、NISA口座開設したものの使ってない方は、つみたてNISAを利用することをお勧めします。
一般NISA⇄つみたてNISAの変更は可能です。
IDECOは所得があり、企業型401Kがない企業に勤めている方には所得控除がありますので、検討してください。
ただし、手数料率は高いです。金融機関選びが大切になります。原則として60歳までは引き出せないなど、つみたてNISAに比べて、制約は多いです。
ネット証券、ネット銀行などを利用できる層が増えています。金融アレルギーの前に、パソコンアレルギーがあるとネット金融機関は使いづらいです。
今後、銀行も証券会社も店舗が確実に減ります。
経費削減のためにATMも減ります。現金決済は確実に減ります。
メガバンクも地銀もインターネットバンクはありますので、少なくとも使えるようになっておくべきです。
家計
家計に占める資産の割合の推移です。
出典:金融広報中央員会よりArbei作成
出典:金融広報中央員会よりArbei作成
家計に占める現預金の比率が50%を超えています。1994年の現預金比率が51.1%、2018年が52.8%です。
投資信託・株式など有価証券の家計に占める比率もほとんど変わっていません。
とても、貯蓄から投資へ家計が動いているとは思えません。
1995年~2015年までに日本の家計金融資産は1.47倍に増えました。
アメリカは同期間で3.11倍に家計の金融資産が増えています。
これは家計に占める有価証券の比率がアメリカの方が高いためです。
英国も2.1倍に同期間の家計は増えています。
アメリカ人が投資好きなわけではありません。投資についての必要性、方法を学んでいるからです。
日本は他国に比べ、一人当たりGDPの伸びも鈍く、家計も増えていません。
NISA口座数
少額投資非課税制度(NISA)がスタートして既に7年が経過しています。2018年よりつみたてNISAがスタートしました。
2019年12月時点で、一般NISAは11,766,629口座、つみたてNISAは1,888,946口座あります。
証券会社の一般NISA口座数は703万口座、つみたてNISA口座は95万口座です。
その他が銀行・信金などになります。つみたてNISA口座の半数以上が証券会社以外ですので、銀行・信金などでつみたてNISA口座が多く開設されています。
日本証券業協会によると、つみたてNISA口座開設者の約70%が投資未経験者とのことです。
つみたてNISA口座開設者のうち、20~40歳代の割合が約75%ですので、資産形成層に資産運用が広がりつつあるのかと思います。
しかし、2018年2月の20~40歳代の人口は4,622万人です。人口比で見ると、資産運用が身近なものになったとは言えない状況です。
なぜ家計に占める有価証券が増えないのか
金融商品、経済に対する知識が少ないのとバブル崩壊による心理的影響が大きいと思われます。
分からないものには手を出さない、金融商品は危なくてリスクがあるものという概念が出来てしまっている人が多いような気がします。
経済、金融商品についての勉強の場って少なくないですか。資本主義経済である日本でお金、経済についての学習時間が極めて少ないと感じています。
金融商品は危ないものという先入観があったり、他人からの風潮もあります。
人はお金について、成功した話よりも失敗した話を他人にする傾向があります。
お金がお金を稼ぐことがいやらしいものと考える風習が、日本にはいまだ根強いのです。
汗水流して稼いだお金が美しいという考えが強い国です。お金に働いてもらうことを習ってないからでしょう。
社会保障に対する不安も、運用に回すべきお金を少なくしている要因になっています。
70歳以上の高齢者に余剰資金の使途を聞くと、十中八九「老後の資金」か「何かあったときのため」という答えが返ってきます。
70歳以上は老後ですし、何かあったときというのは病気がほとんどです。
病気については高額療養費制度もありますし、保険好きな国民性ですので、保険と高額療養費制度でほとんどカバーできます。
高齢世代でも、お金を使うことに躊躇しているのですから、現役世代は更にお金に対して慎重になっているのだろうと思います。
金融機関の責任
証券会社、銀行いずれも有価証券を販売する目的は手数料収入です。
顧客の資産形成は二の次という時代が長く続きました。最近は手数料収入より預り資産の増大に軸足が移りつつありますが、手数料収入を求めなくなったわけではありません。
金融機関と顧客とで利益相反の状態が続いているのが対面営業の実態です。
手数料型ではなく、成功報酬型に変えれば顧客資産形成がより深化すると思うのですが。つまり、顧客と金融機関がwin-winの関係になるビジネスです。
現状は、金融機関にloseはありません。手数料は商品が上がろうが下がろうが入ってくるからです。
やはり、自身で金融商品の選択などを判断できるようになるべきですし、判断できないといけない時代です。
金融経済を学ぶ場
致命的に欠けているのが金融経済について学ぶ機会が限られていることです。
義務教育で、お金について学ぶこともほとんどありません。大学の経済系学部に行けば、経済のイロハは学びますが、投資について学ぶことはほとんどないのではないでしょうか。
分からないことをやるのは、怖いですし、無謀とも感じてしまいます。
国が”貯蓄から投資へ”と煽っても、投資が何か分からなければ、やろうと思いません。
各金融機関は無料のセミナーなどを開催していますので、参加してみることをお勧めします。ただし、ある程度の予習はしておくべきです。良いことしか言わないセミナーが多いです。
運用は必須ではありません。運用をしなくても、一生困らないのであれば、運用はしなくていいと思います。
しかし、一生安泰と言える人はどれくらいいるでしょうか。
超高齢化社会がすでにやってきているわが国では、将来の資金を自分で作らなくてはならないのです。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者・投資家へのアドバイスアドバイス等ではありません。
Arbei
株価の暴落はあるのか。
安定した相場とは?
株価は日々変動しています。世の中も常に変化しています。変化変動しているから、不安定なのです。
個人投資家の方からよく出てくる言葉が「今は不安定だし、少し様子を見てみようかな。」や、「安定するまで待とう。やはり、不安定な時に無理して投資をする必要は無い。」などです。
では、安定している時とはいつなのでしょうか。答えは"無い"です。
実は安定している時など一分一秒たりともないのです。
なぜ人は不安定と感じるのか。
一つに過去は分かっていても、将来は分からないからです。人は過去と比べて、今がどうかと判断することがあります。そして、過去を美化する傾向にあります。
そして、もう一つ、今が過去よりも不安定に感じる要因として莫大な情報です。
今日はインターネット普及もありますが、あらゆるニュースが世界中から入ってきます。
全てが正しい情報ではないので、情報の選別もしなくてはいけない時代です。
ニュースって良い話と悪い話どちらが多いと感じていますか。
圧倒的に悪い話が多いです。なぜなら、悪い話は話題性がありますし、起きる確率が低いからです。
例えば、飛行機墜落事故のニュースがあったとします。被害に遭った方を悼み、事故の悲惨さを伝えます。
一方で、飛行機が順調に運行されているニュースを聞いたことはありますか。
無いはずです。なぜなら、飛行機は墜落しないことが当たり前であって、当たり前の出来事はニュースにならないからです。
普段起きない出来事がニュースになるので、不安定と感じますし、世界中のニュースが入ってくるようになったので、世界が不安定と感じるのです。
30年以上前の方がよっぽど不安定な世の中でした。冷戦中で、中東も今より紛争(戦争)も多く、核実験も多かったです。
入ってくる情報が増えた分、不安定に感じるのです。
株価暴落対策はあるのか。
株価の暴落はあるのかという問いがあれば、答えはあるです。
必ず株価は暴落する時があります。しかし、いつ起きるかは予想できません。
では、どうすればいいのでしょうか。
・数年後に使途が決まっている時間では運用せず、長期運用可能資金で運用する。
・暴落した局面でも購入できる現金を用意しておく。投資の時間分散をできるようにしておく。
・銘柄、国などを分散して、一極集中しないようにする。
・運用を止めずに継続する。運用を止めれば暴落を避けることはできるが、暴騰を逃すことになる。
・暴落のタイミングで買おうとしない。いつ起きるかは分からない機会を待つのは、時間を無駄しているだけ。
暴落にも負けない運用は、長期継続分散投資です。
株価は暴落しますが、その暴落も振り返れば調整局面の一つでしかないということです。株価は成長する資産なので、いずれ戻ります。
日本の証券市場は、1989年の大納会で日経平均株価38,915円をつけてから、30年以上経ちましたが未だに戻していません。
日本の投資家は、バブル崩壊のイメージが強いため、株が成長する資産と信じることができないのかもしれません。
しかし、1989年末から、毎月日経平均株価を同じ金額買い続けていた場合、資産は約1.5倍になっています。
つまり、長期継続分散投資をしていれば、日本株でも資産が増えたということです。
また、いつか日経平均株価が38,915円を超える時が来ます。株は成長する資産だからです。
株価の暴落のタイミングは予想できないものです。今回のコロナショックも、後付けで説明することはできますが、暴落、暴騰のタイミングは誰にも分からなかったはずです。
株価は将来の実体経済の鑑と言われています。実体経済の成長失くして、株価の上昇もないということです。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者、投資家へのアドバイス等ではありません。
投資は自己判断で
Arbei
米国株ETF ”VIG”って?
ETF
ETFとは、Exchange Traded Fund、日本語では上場投資信託と呼ばれています。株式同様に証券市場で売買できる投資信託です。
株式のETFだけでなく、債券、REITのETFもあります。投資信託よりも信託報酬は安く抑えられているものが多いです。
数あるETFの中から、筆者注目の米国株ETFを紹介されていただきます。
VIG
バンガード・米国増配株式ETF(Vanguard Dividend Appreciation ETF、VIG)を紹介させていただきます。
ベンチマークはNasdaq US dividend Achievers Select で、2006年4月より運用されています。
大型株の中から前年比増配実績のある銘柄に重点を置きいています。
経費率は、なんと年率0.06%。日本の投資信託と比較してください。圧倒的に経費率は低いです。
米国証券市場に上場していますので、証券会社で外国証券取引口座を開設すれば、米国個別銘柄と同じように取引ができます。ティッカーコードはVIGです。
組入れ銘柄
2020年4月末時点での組入れ上位10銘柄は以下の通りです。183銘柄に分散投資されています。
投資信託・ETFは、一つの商品で多くの銘柄に投資することができるのです。
出典:バンガード社
マイクロソフト・ウォールマート・P&G・マクドナルド・コストコなど日本でもおなじみの企業が組み入れ上位銘柄になっています。
その他にもナイキ・3M・ティファニーなども投資対象となっています。
ETFですので、組入銘柄の入れ替えは行われていますが、VIGは前年比増配実績のある銘柄という投資テーマがありますので、無配であったり減配企業は基本的に投資対象からは外れるということになります。
出典:バンガード社
運用実績 配当実績
出典:バンガード社 VIG
直近は、コロナショックで市場が大きく動いています。VIGも大きく乱高下しました。
分配金実績は直近4期の配当合計が1口当たり2.0982$です。2020年6月9日の終値が1口121.83ですので、分配金利回りは1.72%です。
投資信託の分配金とETFの分配金は全く別物です。ETFの分配原資は投資銘柄からの配当金です。投資信託の分配金は運用会社が決めた金額を支払っているだけで、商品の値上がり益・配当金ではありません。
最近は投資信託の分配金も金融庁の指導もあり、減少傾向です。投資信託の分配金はまったく意味のないもので、運用資産の一部を解約して払い出しているだけです。
業界初・オンライン特化型コーチ スタディサプリENGLISH
なぜ増配銘柄か
高配当利回り銘柄で運用されている米国高配当株式ETF(VYM)と比較したいと思います。
出典:バンガード社 VYM
VYMの分配金実績は直近4期で1口当たり2.7435$です。2020年6月9日のVYMは1口85.4$なので、分配金利回りは3.21%です。
高配当利回り銘柄は、現時点で市場平均と比較して配当利回りが高い銘柄です。
一方、増配継続銘柄は配当利回りが市場平均と比べても高くない銘柄も含まれています。
増配継続銘柄と高配当利回り銘柄どちらが優れているかは市場が決めることなので申し上げることはできません。しかし、増配継続銘柄は企業業績を伸ばしている企業が多いと考えられます。
増配継続銘柄は、年を追う毎に1株当たり配当金を継続して増やしている銘柄です。
配当金を毎期増やせる企業は、純利益が逓増傾向にあるか、配当性向が逓増傾向にある企業です。
配当性向のみが逓増傾向にある企業は、あまり魅力がありません。剰余金の使い方が株主還元である配当金に偏っているため、企業の成長を止まっているからです。また、いつか増配は止まります。
営業CFが成長していて、株主還元である配当性向を意識した経営をしている企業は魅力があります。
増配銘柄、高配当銘柄が必ず上がるわけでも、市場平均を上回るわけではありません。しかし、長期保有することにより、配当金が貯まってきます。
この配当金の積み重ねは長期投資家にとっては果実となります。
増配継続銘柄は配当貴族と呼ばれています。筆者もVIGや配当貴族銘柄を保有しています。これらの銘柄は超長期でのパフォーマンスを期待しています。
上がったら売ることはせず、下がったら買うという投資スタンスです。増配継続銘柄は買い増しを基本に考えることができる銘柄群ではないかと考えています。
一般的な情報提供であり、サイト閲覧者・投資家への投資アドバイス等ではありません。
投資は自己判断で
Arbei
キャッシュレス社会〜クレジットカード整理術
キャッシュレス時代幕開けになるか
2019年10月の消費増税を機に、政府がキャッシュレス決済を後押ししました。
キャッシュレス決済の場合、2〜5%の還元が2020年6月末まであります。
このキャッシュレス促進もお得感ばかりがアピールされていて、本来のキャッシュレス決済が持つ楽、安心の機能のアピールが弱いです。
キャッシュレス決済は、楽で安心なのです。手数料負担も利用者にはありません。(リボ払いや分割払い等の場合は金利が発生します)
政府の促進に加えて、コロナウィルス感染拡大で、お金が汚いものとようやく認識されるようになりました。
誰がどんな所で触ったか分からないお金は、やはり清潔なものとは言えず、汚いものです。
キャッシュレス決済がなかなか浸透しなかった日本も消費増税とコロナウィルスがきっかけで、現金決済が減り、キャッシュレス決済が広がっていくことが予想されます。
でも、財布の中に使ってないクレジットカードありませんか?
失効してしまったポイントはありませんか?もしくは、ポイント交換もやり方も知らないカードありませんか?
本格的なキャッシュレス時代を迎える前にクレジットカードの断捨離しませんか?
残すクレジットカード
使用頻度が高い
メインカードは残しましょう。または、メインカードを見直しましょう。
メインカードは決済金額が多くなりますので、ポイント還元率は高いか、ポイントを使っているかを確認して下さい。
メインカードはただ単に決済機能として使うのではなく、還元されるポイントを有効に使えるカードにしましょう。
ポイント還元率が高く、かつポイントを有効に使っている
ポイント等還元率が高くても、そのポイントを有効に活用できていなければ、もったいないです。
クレジットカードを分けすぎて、ポイントが分散してしまう場合もあります。
◯◯ポイント以上〜ポイントを交換できるカードについては気を付けて下さい。期限内に◯◯ポイント以上貯まらず、ポイントが失効するケースも多々あります。
ポイント活用頻度が高いカードにまとめるべきです。
筆者は、楽天ユーザーで、かつ楽天モバイルを利用しています。ポイントは買い物にも使えますし、楽天モバイルの料金決済にも使えます。
旅行保険
クレジットカードの機能として、旅行の保険が付いているカードが多いです。特に海外に行くことが多い方は必須の機能です。
海外旅行の保険は付いているカードは多いですが、国内旅行保険は付いてないカードも多いです。
国際ブランド
VISA MASTERCARD AMEX JCB DINNERSなどがあります。店舗によって、取り扱っているブランドが無い場合もあります。
JCBは国内では使い勝手はいいですが、海外では取り扱いが無い店舗も多いです。
全種類持つ必要はありませんが、VISAかMASTERCARDは日本国内含め全世界で決済が可能な店舗が多いので、どちらかは保有することをお勧めします。
断捨離するカード
使用頻度が低い、もしくは全く使ってない
使用頻度が低いカードは、今後も使うことはあまりありません。
いつか使うかなと思っていても、今使わないのだから断捨離すべきです。
入会キャンペーンや、ショッピングモールで作ったカードが多いのではないでしょうか。
ポイント失効したことがある
ポイント交換が面倒だったり、ポイントが有効に使えていないカードは断捨離しましょう。
年会費に見合わない
年会費に見合わないカードは即刻解約です。
クレジットカードには年会費が必要と思っている方もけっこういるようですが、年会費無料の一般クレジットカードはたくさんあります。
筆者も以前、航空会社系のクレジットカードを使用していました。
学生時代は、海外旅行にもよく行っていたので、マイルが貯まればと思い持っていました。
しかし、飛行機に乗る機会がめっきり減ってしまったので、解約しました。年会費に見合う満足度がなくなったのです。
ゴールドカード以上になるとほとんどの場合、年会費はかかります。若年のうちは、年会費がゼロだったものが、一定の年齢以上になると年会費が発生するものもあるので注意して下さい。
ゴールドカードも発行会社によって年会費は異なります。
ゴールドカード以上を持つ目的は何なのかをはっきりさせましょう。海外旅行保険なのか、ステータスなのか、ショッピング補償なのか。
ゴールドカード以上は、年会費が大きく変わってきますので、保有している目的を今一度確認して下さい。
ゴールドカード以上は1枚で十分です。
マネーフォワード・クラウド会計はあなたを次のステップへ導きます
本格的なキャッシュレス時代を迎える前に、クレジットカードの断捨離、見直しを検討してはいかがでしょうか。
Arbei
バブル
Bubble
バブルと聞くと、日本経済のバブル崩壊が真っ先に思いつくのではないでしょうか。
バブル(bubble)は泡です。泡は膨らまし続けると破裂します。幼少期に、シャボン玉をどこまで大きくできるか試しませんでしたか。
1990年代の日本経済バブル
1986年末~1991年初頭までの間、日本の株や不動産など資産価格が上昇し、景気も良好でした。
このバブルの原因はプラザ合意とルーブル合意です。1985年にプラザ合意で為替安定化に関する同意が交わされました。
出典:investing.com ドル円相場
ドル高に苦しんでいた米国が、ドル安に誘導することが目的であり、1987年のルーブル合意まで100円以上円高になりました。特に標的となったのが日本と西ドイツです。
日本と西ドイツが、今日でいう中国のような存在でアメリカの貿易赤字の原因として、標的になったのです。輸出の象徴である日本車を壊すアメリカ人の映像を見たことありませんか?
プラザ合意による円高により日本の輸出企業は大打撃を受けました。当時は生産拠点は国内が中心で、現地生産・現地販売が進むきっかけとなりました。
急激な円高により不況に陥った日本は、輸出が厳しいので内需主導で景気刺激をしようと政府と日本銀行は、公共投資の拡大と政策金利の引き下げ(利下げ)をし、長期に渡って金融緩和を続けました。所得税最高税率も70%→40%に軽減されるなど、あの手この手で景気刺激をしました。
この金融緩和によるカネあまりが株や不動産に資金を向かわせることになりました。
1986年2月に上場したNTTが象徴的です。誰もが知っているNTTの株価が2ヵ月足らずで公募価格の3倍になり、株は儲かるという印象を植え付けました。
不動産価格も毎年30%、40%上昇するなど不動産神話なるものが生まれました。日本の国土は狭いので、不動産価格は下がらない、上がり続けるというものです。
山手線の内側の不動産価格がアメリカ全土の不動産価格よりも高いというまことしやかな急騰ぶりでした。
今振り返れば、異常な価格上昇であり、バブル経済だと言えるかもしれませんが、当時は株も不動産も”今日買っておかないと明日は買えない”という心理が働いていました。
日経平均株価も1989年の大納会で38,915円(ザラ場では38,957円)を付け、日経平均株価は100,000円を目指すと大手証券会社も真顔で言っていました。
しかし、この時の株価はPER・PBRなどでは説明ができない水準で、”買いが買いを呼んだ結果”の株価でした。
出典:investing.com 日経平均株価
円高不況から脱するための、政府・日銀の財政政策・金融政策が、カネ余りの状況を生み出し、景気が回復し、バブル経済のきっかけを作ったのです。金融緩和により溢れたマネーが、証券市場・不動産市場に向かいました。過剰流動性相場です。
身近なバブル
マスクバブルが思い出されるのではないでしょうか。コロナウィルス感染拡大で世界中からマスク需要が急増しました。
普段マスクをしない欧米諸国の需要増、買い溜めなどの需要増と、マスクの生産拠点である中国の供給引き締めが価格を吊り上げました。
需要に対して、供給が追いつかなくなった結果、価格は急騰しバブル状態になりました。
1枚5円程度で買えた不織マスクが、1枚100円以上で取引されていました。
金融緩和とは関係ありませんが、需要と供給のバランスが崩れると価格は一方通行になるという身近な事象です。
2020年6月時点では需要は減っていないものの、供給が増えてきたため、価格は落ち着きを取り戻してきています。
コロナバブル
コロナショックと呼ばれていた証券市場は、コロナバブルに変貌を遂げました。
コロナバブルというには、まだ早いかもしれませんが、企業業績、経済状態に裏付けされていない株価水準は過剰流動性がもたらしたバブルと言えます。
コロナショックが生まれたわけは、ヒトモノカネの流れが止まり、実体経済が悪化するであろうという悲観論です。米国株式市場ではサーキットブレーカーが3月に何度も発動される悲観一色でした。
コロナバブルが生まれたわけは、カネあまりです。
各国の中央銀行が、市場にカネをばら撒いて、経済を下支えしようとしています。
出典:investing.com 日経平均株価2020年2月~6月
金融緩和はリーマンショック以降、ずっと続いています。米国が利上げした時期もありましたが、日本・ヨーロッパ諸国はマイナス金利を導入していますし、既に市場には大量のマネーが溢れている状態でした。
コロナ危機で、更に市場に大量のマネーがばら撒かれました。
マネーの過剰流動性がコロナバブルの要因です。債券に投資しても金利は付きませんので、マネーの行き場が株式市場になっています。実体経済と株価水準に大きな乖離が発生しています。
近代の証券市場でのバブル崩壊は日本のみです。日本経済がバブルになった理由も、政府・日銀(中央銀行)による金融緩和でした。
膨らましすぎたバブルは、空気が一杯ですので、弾け方も派手です。
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